Archive for 12月, 2017

ワイモバイルのガラホに乗り換え

土曜日, 12月 23rd, 2017

PHSの終わりと、ワイモバイル国内通話ずっと無料キャンペーン

http://blog.lawfield.com/?p=418

を書いたところ、周囲から反響があった。

私がガラホに乗り換えたあとで、余ったPHSの中古端末を貸してほしい、自分もワイモバイルのキャンペーンで乗り換えたい、というのである。

私もようやくこのたび、ワイモバイルのPHSから、ワイモバイルのガラホ 京セラ DIGNOケータイ2 702KC に乗り換えた。

http://www.ymobile.jp/lineup/702kc/
http://www.kyocera.co.jp/prdct/telecom/consumer/lineup/702kc/

このようなニッチなサービスやガラホ端末をレビューする人などほとんどいないと思われるので、レビューしてみたいと思う。

今回の乗り換えは、仕事でカケホーダイで使っていたPHS回線の乗り換えである。

ケータイ・スマホに契約変更で、国内通話ずーっと無料キャンペーン
http://www.ymobile.jp/cp/tsuwamuryo/index.html?ref=toppick

という大変お得なキャンペーンを使っての乗り換えである。

このキャンペーン、先日まで、2018年1月14日で終了する、とワイモバイルはアナウンスしていたが、撤回して、終了時期未定、と変更された。

といっても、PHSの新規契約は、2018年3月31日で一切受付が停止になる。ちなみに、機種が故障しても、機種の交換も、中古機種への入替も不可となるので、現行PHSユーザー以外には4月以降は関係のない話となる。

この恐ろしくオトクなカケホーダイケータイへの乗り換えキャンペーンに乗りたければ、3月までにPHS中古端末をショップに持ち込んでMNPなり新規なりでPHS回線を契約し、その翌日にでもガラホに乗り換えることをお勧めする。

このキャンペーンがどれくらいお得かと言うと、通話専用ケータイとして持つなら、2年間月額1332円、2年後は月額1008円で、他社含めて時間無制限のかけ放題(スーパー誰とでも定額)が無料で含まれている。

2台持ちにはなるものの、おそろしく格安である。会社のスタッフ用に仕事用ケータイとして持たせるにはピッタリであろう。

但しパケット通信をつけると微妙感はただよう。

パケット通信をつけると、300円からスタートし、わずか110MB使っただけで4500円まで到達し、そこで定額となる。2.5GBまで使った時点で、低速制限(128KBPS)がかかる。

使うにしても、せいぜいメールのみであろう。Webをみるのは勧められない。

なお、メール受信設定で、「差出人+件名+本文」にすると添付ファイルを受信しない。あるいは「300KB以内のメールしか受け取らない」という設定にすることもできる。

PHSからの移行時にメールアドレスはいったん変更されるが、「My Y!mobile」のサイトで以前のメールアドレスに戻せる。

私の場合は、2台持ちが前提なので、パケット通信をわざわざつける理由があまりないので、メールはスマホのgmailに移行して、ガラホのパケット通信は基本使わないことにした。

といっても、最近はgmailよりFacebookなどSNSのメールがポピュラーになってきてしまっているので、ますますケータイのキャリアのメールアドレスの出番は少なくなってきている感が強い。

さて、通話専用ケータイだからできることではあるが、パケット通信機能やWIFI機能をオンしていると電磁波を余分に発生させるので、データ通信そのものをオフにしてしまうと、耳鳴り防止の通話専用端末としてはたいへんよい割り切りとなる。

さらにいえば、設定画面の「モバイルネットワーク」中に、4G/3G/GSMの選択画面があり、そこで、海外電波のGSMや、高速通信のための4Gを外して3Gだけ受信するようにしてしまえば、さらに電磁波の発生量は下がる。

ソフトバンク電波のエリアは3Gのほうがまだまだ広いので通話は3Gのみでほぼ間に合う。

(ただし音質はVoLTE対応の4Gのほうが相手の端末次第ではあるがよいだろう。)

電波の種類を限定しておけばその分もちろん電池の持ちもよくなる。

設定メニューの「エコ・電池」中に、「バッテリーケアモード」というのがあり、オンにしておくと、満充電までいかず85パーセントで充電を止めてくれる。

満充電で1週間以上電池が持つので、バッテリーケアモードにしておくことがお勧めである。

さて、京セラケータイのよさである。

なにしろ、最近の京セラのケータイというのは、本当に丈夫である。壊れない。

スマホでも丈夫さがうりの端末が多い。

ガラケーは、ガラケーそのものがスマホより格段に丈夫である。

PHSの最終機種となった、402KCも、持っていた6台が全く故障しなかった。

このDIGNOケータイ2 702KCも、IPX5/IPX8の防水、IP5Xの防塵性能を持っていて、さらに頑丈さを増している。

スマホでは期待できないレベルの丈夫さである。

通話専用ケータイというのはあらっぽく使うことが多い。小雨の中話すこともあるし、土の上やコンクリートの上に落とすこともある。

やわなスマホでは困るのである。

なお、DIGNOケータイ2になって、Wifiにも対応することになった。

シャープのAQUOSケータイ2は既にWifi対応なので、この点はようやく追いついたことになる。

テザリング環境下や、Wifiルータ下では、通話専用ケータイであっても、データ通信をオフにしていても、ブラウジングもできてしまう。実際やってみると、なかなか速くて快適である。

なお、初期画面上のショートカットキーが3つ(LINEやYahoo地図など)並んでいて、うざったいが、「設定→その他の設定→カスタマイズキー」で消すことができる。

Android端末なので、モバイルデータ通信をオフにして通話専用ケータイにすることができる。

但し、設定は、「設定→無線・ネットワーク→データ使用量→モバイルデータ をオフ」である。少し変わっていてわかりにくかった。

結論として、必要にして十分以上で、満足である。

 

携帯電話のブラック情報(3) 犯罪利用された契約情報

木曜日, 12月 7th, 2017

このブログでは、以前に、

携帯電話のブラック情報(1)電話料金の不払
http://blog.lawfield.com/?p=333
携帯電話のブラック情報(2)端末料金の不払
http://blog.lawfield.com/?p=335

を紹介した。

実は、もうひとつ、携帯電話のブラック情報というのがある。

3つめのブラック情報は、犯罪利用された携帯電話の契約者情報である。

ソフトバンクのサイトであるが、

携帯電話・PHSのサービスを提供する事業者間での携帯電話不正利用防止法」に基づく利用停止情報の交換について 2009年2月2日

https://www.softbank.jp/mobile/info/personal/news/support/090202/
平素よりソフトバンク携帯電話サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。2009年3月以降に、「携帯電話不正利用防止法」の規定に基づき、警察から本人確認の求めのあった回線について、本人確認に応じていただけずに利用停止措置を受けたお客さま(特別利用停止者)の情報を、携帯電話・PHSサービスを提供する事業者間で交換します。
その情報は契約申し込み受付時の加入審査に活用しますので、該当するお客さまは、お申し込みをお受けできないことがあります。
何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

とある。

ある意味、究極のブラック情報である。

携帯電話不正利用防止法(正式な法律名称:携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/050526_1.files/Page377.html

に違反して利用停止された電話回線の契約者情報は、携帯電話会社の事業者間で交換されている。この情報交換は、おそらくNTTドコモ・au・ソフトバンク(ワイモバイルブランド含む)の三大キャリア間のものである。

電気通信事業者協会のWebサイトにはこの情報交換の情報は載っていないので、MVNOまでは情報交換されていないのであろう。

しかし、実際には音声通話SIMの場合は、MVNOで契約する場合も、三大キャリアのリセールであるから、三大キャリアの審査を受ける。その時点で、ブラック情報に該当すると、審査で跳ねられてしまうことになる。

携帯電話不正利用防止法は、詐欺・恐喝・薬物犯罪・売春防止法・出資法の高金利罪などの、犯罪に利用した疑いがあるとして警察署長が本人確認の求めを電話会社に行い、本人確認に応じない携帯電話契約を利用停止してしまうということを実現した法制度である。
偽造免許証などでの契約もあれば、多重債務者がヤミ金に言われて携帯電話を作って売ったりしている場合もある。

安易に他人に携帯電話を渡したりすれば、それが特殊詐欺やヤミ金などに使われてしまうと、このブラック情報(3)に登録されてしまうと、個人情報保護法でも消せる根拠はおよそ存在しない。

「人の生命・身体・財産の保護のため(かつ本人の同意を得ることが困難)」な個人情報については、個人情報保護法の例外事由として、第三者提供も可能、収集に本人の同意も不要、開示請求も訂正・追加・削除の請求も不可能、である。

盗用免許証が利用された場合については、携帯電話会社に、面倒でも適宜の方法で請求すれば、削除には事実上応じてもらえるとは思われるが、軽率に他人に携帯電話端末を渡ししてしまったという場合に、そんな軽率な利用者が再度他人に携帯電話を渡す可能性は否定できないことから、ブラック情報を抹消する必然性は携帯電話会社には無いように思われるので、抹消に応じてもらえない可能性は高い。

一生もののキズになりかねないので、ある意味究極のブラック情報というべきものである。

NHK受信料最高裁判決の衝撃

木曜日, 12月 7th, 2017

最高裁判所大法廷平成29年12月6日判決(受信契約締結承諾等請求事件)が、NHKの全面勝訴という結果で確定することとなった。

その結果はまさしく衝撃的な内容である。

何十年間未払いという人が、仮にNHKから訴訟を起こされ、判決が確定するところまで行ってしまえば、時効主張が全く認められないで敗訴してしまう、というものである。

つまり受信機を設置した日以降は、たとえ何十年分であっても、民法上5年で時効消滅したと主張することができない。

最高裁判決の全文は、pdfで以下の裁判所のサイトで読むことができる。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87281

特に重要なのは、判決文中、3か所である。

 

上記条項を含む受信契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生するというべきである。

 

受信料は,受信設備設置者から広く公平に徴収されるべきものであるところ,同じ時期に受信設備を設置しながら,放送法64条1項に従い設置後速やかに受信契約を締結した者と,その締結を遅延した者との間で,支払うべき受信料の範囲に差異が生ずるのは公平とはいえないから,受信契約の成立によって受信設備の設置の月からの受信料債権が生ずるものとする上記条項は,受信設備設置者間の公平を図る上で必要かつ合理的であり,放送法の目的に沿うものといえる。
したがって,上記条項を含む受信契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生するというべきである。

 

受信設備を設置しながら受信料を支払っていない者のうち,受信契約を締結している者については受信料債権が時効消滅する余地があり,受信契約を締結していない者についてはその余地がないということになるのは,不均衡であるようにも見える。しかし,通常は,受信設備設置者が原告に対し受信設備を設置した旨を通知しない限り,原告が受信設備設置者の存在を速やかに把握することは困難であると考えられ,他方,受信設備設置者は放送法64条1項により受信契約を締結する義務を負うのであるから,受信契約を締結していない者について,これを締結した者と異なり,受信料債権が時効消滅する余地がないのもやむを得ないというべきである。
したがって,受信契約に基づき発生する受信設備の設置の月以降の分の受信料債権(受信契約成立後に履行期が到来するものを除く。)の消滅時効は,受信契約成立時から進行するものと解するのが相当である。

 

さて、もしこの裁判所の判例検索サイトのアクセス数を検証したら、史上最大のアクセス数をこの数日に記録することになるのではないかと思われる。

なにしろ、NHK受信料の推計世帯支払率は、平成28年度末で78.2パーセント(前年比1.3ポイント増)。テレビがあって契約しなければいけない推計4621万世帯のうち3612万世帯しか契約をしていないので、1000万世帯以上、2割強の世帯は契約をしていないままテレビを見ていることになる。

平成28年度 NHK受信料の推計世帯支払率

http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/pdf/20170523.pdf

問題はさらにあって、ホテルなど各部屋にテレビがある宿泊施設である。

宿泊施設は1部屋1契約が必要となる。

ホテルの回転率、空き室率などは考慮してくれない。

まあ確かに住民でも毎日テレビを見ているわけではないとはいえる。

ただ、この論点については、別の裁判が係争中のようであり、最高裁での結論は出ていない。

が、なんとなく流れとしては宿泊施設側に厳しそうである。

2017年3月29日には東京地方裁判所の判決で、東横インに対し、過去最高の計約19億3千万円の支払いが命じられた。
http://www.sankei.com/affairs/news/170329/afr1703290030-n1.html

以下はNHKのコメント。
https://pid.nhk.or.jp/pid99/osk/000000/000001820.pdf

ついでであるが、今回の最高裁判決を受けたNHKのコメントがこれである。

https://pid.nhk.or.jp/pid99/osk/000000/000042197.pdf

なにより衝撃を受けておられると思われる層は、NHKの受信料の徴収員の来訪に対して長年、「うちは払わない」と言って、拒否し続けていたような世帯や、事業所と思われる。

この最高裁判決で、もしNHKが強気になれば、悪質な契約拒否者として把握している世帯から、重点的に、過去のテレビ設置時にさかのぼって支払いを求めてきて、「不満でしたら裁判を起こしますよ」と言ってくることは、十分ありうる。

残念ながら、弁護士が交渉しようにも法的な抗弁は立たない、下手をすればやぶ蛇、というのが、この最高裁判決後の状況判断になる。

さて、では、この最高裁判決を受けて、これまで未契約だったが自分からさらっとNHKを契約する人はどうなるであろうか。

最高裁判決によれば、「消滅時効は、NHKとの受信契約時から進行する」、ということなので、テレビを買い直すなどして、家電店でそしらぬ顔でNHKと契約をしてその月から払い始め、5年間NHKから何事も請求なく過ごせば、それで過去の分は一応時効消滅するだろう、という理屈になる。

でも契約しても一安心ではなくて、契約から5年以内なら、NHKとしては過去にさかのぼった全額が請求可能であり、「あの人は開き直っていた、徴収員を困らせていた、悪質だったから、今さら素知らぬ顔をしてもだめですよ、遡って請求します」ということはありうる。

今回の最高裁判決を読んでみて、現判決が維持されているだけであるから、ある程度予測はついた内容である。

NHK受信料が放送法により発生する特殊な債権であることから、放送法の規定ぶりにしたがって法律を論理的に順に当てはめていけば、判決で命じられてしまうと時効消滅の主張が認められないという結論になるという論理は、確かに形式論理の積み上げとしてはそういわれればそうなる、ということになる。

ただ、それを感覚的に首肯できるかというと、普通の契約上の債権債務の時効消滅と異質な法的論理の過程をたどっているので、かなり違和感がある。

浮世からいささか遠い最高裁判所の裁判官といえ、違和感がないはずはないだろう。

最高裁判所が、あえて、契約未了のNHK受信料債権については、時効消滅をさせない、という判断に至ったポイントは、速やかに受信契約をした者とそれを遅延した者との間で差が出るのはやむを得ない、という価値判断であろう。

最高裁判所として、全世帯の2割に対して、そう言い切るのは、ある意味、勇気が要っただろう、と思うが、最高裁大法廷の15人の裁判官中、反対したのは一人だけで、14人は賛成しているから、ほぼ不動の結論だったと思われる。

これでNHKが強気になったら、世の中が荒れるな、という嫌な予感はするところである。

NHKとしては、今回の最高裁判決は、さすがに勝ちすぎである。

勝って驕らず、と言う言葉がある。

弁護士として、自戒を持って身に染みる言葉である。

NHKのコメントは上記のとおり、一応謙虚なものである。

NHKも、そのあたりのバランスを取って、徴収率アップを図らないと、さすがに全国民の2割をまるごと敵に回してしまうと、NHKどころか、総務省や政府全体までが炎上してしまいかねないと思われるところである。

裁判所であったり法曹というのは、むやみに世間の目を気にして流されることなく超然と理に従って公正に判断するという素養が染みついてしまっているが、政府や政治家としては、そうもいかないだろう。

政治の世界の論理は、世間の目を気にして流される声が大きくなりがちな空間にあり、法律家の世界とは寄って立つ基盤が違っているからである。

なおNHK受信料は、全世帯が払わなければいけないわけではない。

免除制度(生活保護等公的扶助受給者、障害者の方の一部など)
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/taikei-henkou.html

別居する家族割引・別宅割引
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/FamilyPlanPostExp.do

事業所割引
https://pid.nhk.or.jp/jushinryo/jigyousyo-waribiki.html

などもある。免除や割引申請できるのに忘れている方がいるかもしれないので、ご一読をお勧めする。