ドコモの「カケホーダイ」ガラケー話し放題月2200円の衝撃(2)

カケホーダイを2200円ぽっきりで使うには意外にコツが必要になる。
なぜかというと、普通に買うと、思わぬほど機種代金がかかるからである。

先述したように、ドコモのガラケーで「一括0円」の機種で契約ができれば、月2200円での利用は可能になる。

しかし、最近、ドコモではガラケーで一括0円という特売はめったにされないようである。スマホの方が一括0円という特売をよくみかける。携帯3社とも、客単価の低いガラケーより客単価の高いスマホにユーザーを誘導するのが戦略なのである。

ということで、ドコモでも、ガラケーでも電話機を新しく買えば、機種代金が24回分割で月に2000円3000円かかる(計5万から8万くらい)。そこから、「月々サポート」という割引で、機種代金と同じ代金だけ引く。しかし、月々サポート割を受けるには、パケット使い放題のプランを申し込まないといけないため、そのパケット使い放題のプランだけで4000円くらい上乗せになるというわけである。

それだけ出してパケット使い放題を申し込まなければ、月々サポート割を受けられないため、結局機種代金を月2000円から3000円払うことになってしまう。

これでは割安感はない。だから、「ドコモのカケホーダイなどの新プランはむしろ割高になる」といわれるわけである。

しかし、それは、「ドコモでガラケーを新しく買ってカケホーダイをはじめる」場合に起きる現象である。

となれば解決法はとってもカンタンである。方法は2通り。

1.ドコモの中古ガラケーを買う。

数千円でドコモの中古のガラケーはいくらでも売っている。これを買って、ドコモショップに持ち込んで、電話機は買わずにガラケーのカケホーダイプランを契約すればよい。他社からの乗り換えならMNP手数料と契約事務手数料はかかるが、ドコモから契約変更するだけなら、スマホから乗り換える場合にSIMの交換手数料が少しかかるだけである。

なお、もともとドコモのガラケーを持っていて残している人ならそれを使えば良いだけである。

2.SIMフリー電話機を買う

SIMフリーの電話機も最近はずいぶんと簡単に買えるようになってきた。
ちなみに、freetelという新興の携帯電話機メーカーで、
http://www.freetel.jp/
通話機能とSMSのみという電話機が4980円で7~8月ころに発売されるそうである。
ほかにもSIMフリーのガラケーは安くはつばいされていく見込である。この値段なら保証もいらない。壊れたら買い換えるというスタイルで十分である。

ドコモのスマホを持っていて機種代金残がほぼない、という人なら、SIMをガラケーSIMに契約変更して、ガラケーSIMを、SIMフリー電話機に挿して使えばよい。
そして格安SIMを契約して空いたドコモのスマホ機に挿せば、月1000円でネットは使い放題である。

デュアルSIM搭載のSIMフリースマホでは、
「FleaPhone CP-F03a」
http://www.covia.net/product-cpf03a.html
というのが2万円弱で売られている。
これだと、ガラケーSIMを挿して、もう1つのスロットには格安SIMを挿すことができる。

上記の2通りの方法で、月2200円のカケホーダイの携帯は持てる。

ソフトバンクも、おそらく5月中には同様の料金プランを出してくるだろう。
そうすれば、ソフトバンクユーザーも、ソフトバンク契約のままプランだけを切り替えれば良い。ソフトバンクガラケーは一括0円は普通であるから機種変更して電話機を入手してもよいが、ソフトバンクの電話機はヤワで壊れやすく、保証が有料なので、注意が必要である。とはいえ一括0円のソフトバンクガラケーに乗り換えてしまい、電話機が壊れてしまえば4980円のfreetelの機種に替えるという手もある。

なぜこんな節約法をくどくどと説明するかと思うかもしれない。
それは携帯電話の高い料金に悩まされている人があまりに多いからである。
私の依頼者にも、営業マン、運転手、保険外交員など、自分の携帯電話を仕事に使わされる人に、携帯電話の料金高に悩まされている人が多い。特になんとなくスマホに乗り換えた人が、通話料金もネット接続料金も暴騰して、悲惨なことになっている、という人が多い。
そういう人に、なかなか勧められる節約法がなかったのも事実であった。

いまでもウイルコムは非常に割安で有効な料金節約法である。
しかし、ウイルコムは都市部では良いのだが、田舎住まいでは電波が弱くて勧められなかった。
また、ウイルコムは10分以内なら月500回までかけて月1000円の「だれとでも定額」が使えるが、営業の電話は相手の都合で長くなるので10分で切れず、1000円の枠内に納まらないのである。

このドコモのプランは田舎でも電波は不自由がなく、かける時間にもほぼ制限がない。

なお、仮にソフトバンクが6月から同じ価格体系で対抗してくるなら、ソフトバンクにするほうがドコモよりさらに有利である。

相手方がソフトバンクでホワイトプランの場合(スマホユーザーは大抵ホワイトプランである)、相手方からかけてくる場合相手方の通話料が無料で済むから、ソフトバンクスマホユーザーが相手の場合に相手にとってフレンドリーなのである。

近年の携帯電話会社の消費者を月額料金が高額なスマホへ否応なしに誘導するやり口は、本来スマホなど不要な人にまで高額な支出を強いて、大人も子どもも本も新聞も読まなくなり、教育費まで含めて消費支出にしわ寄せが及び、Lineやゲームで知性も対人能力も低下しているなど、社会にはなはだ害をなしているものといわざるをえない。

私は自分の依頼者には愚かな消費者ではなく賢い消費者になってもらいたいのである。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。