低速でも快適に使えるSIM

私が今使っているSIMは、BIGLOBE SIM で、通話機能付きSIM、高速通信容量は1Gバイトである。

音声通話スタートプランといい、月1400円である。

1Gバイトという容量は、ニュースサイトを通勤中にスマホで見ていると、一ヶ月以内でほぼ無くなる容量である。

今月は、東京出張や遠方出張が多く、つい使いすぎてしまったのか、18日ころまでには高速通信ができなくなり、200kbpsの低速状態になってしまっていた。

どうやら、モバイルノートを新幹線の中でテザリングでスマホに繋いでいた間に、Windowsupdateでもかかっていたのか、大量に高速通信容量を食ってしまったらしい。

しかし、低速状態になっていることにしばらく気付かなかった。

ニュースサイトを見るだけなら、文字表示だけでいえば、低速通信時でも、それほどレスポンスが変わらないのである。

低速通信時に、Google Chromeでブラウジングすると、まず文字がパッと表示されて、しばらく画像や広告表示に時間がかかる。しかし、ニュースだから、基本、文字しか読まないので、あまり不自由がないことになる。

画像表示が遅いな、ということではじめて気付いたくらいである。

そのときは、あと2週間、どうしようかなあ、追加容量を購入することになるかな、とも思った。

しかし、それから低速状態のまま1週間経って、なにもストレスがないのである。

動画はそもそもスマホで外で見ることがない。

動画は、自宅で、タブレットや、PCや、大画面テレビ+Chromecast でみるものだと決めている。

さらに、自宅では常時接続回線+wifiルータ環境があり、スマホのアプリのインストールや更新はwifi環境下でしか動作しないように設定してあるので、いよいよ何も困らない。

ということで、この1週間、快適に200kbps環境で過ごしている。

ところで、私は出張時にはノートパソコンを持ち歩くので、スマホからのテザリングで、PCメールの受送信をすることになる。

200kbps環境で、新幹線や電車の中や空き時間でメールを受送信する必要があるのである。

では、200kbps環境で、PCメールの受送信に、一体どれくらいの時間がかかるのだろうか。

試しにさきほど、50通で計1.8メガバイトのサイズのメールデータを受信してみた。すると、約2分かかった。

私のスマホとモバイルノートは、どちらも動作は速くない。

それでもまあ、1分で0.9メガバイトの回線速度が出ているものと思われる。

200kbpsは0.2Mbpsだから、1分に直すと12Mビットであり、これをメガバイトに直すと、分速1.5メガバイトが理論上の最大値、ということになる。

200kbpsの限界値に対して、遅いスマホとPCでもそれなりに速度は出ていることになる。

10メガバイトのメールでも10分少々である。

うん、これなら、PCメールの受送信だけであれば、まあ使えるな、という結論となった。

メールの受送信の間、エディタでも開いて、別の作業をしていればよいだけだからである。

ただし、注意しないといけないのは、何日分も大量に未受信メールをためると、どうにもならなくなる、ということである。

あとは、運悪くWindowsupdateの日にでもかち合ってしまうと、自動更新を止めない限り、ほぼメールの受送信は止まってしまう。

実は上記の計測をしたとき、最初の計測時にちょうどWindowsupdateが動いていた。

見事に、メールの受送信は停止して、メーラーが考え込んでダウンロードが凍り付いてしまっていた。

つまり、出張前には、モバイルPCのメールの受送信を済ませ、Windowsupdateを済ませておかないと、痛い目を見ることになるということである。

そういった注意点はあるものの、200kbpsという低速通信でこの程度モバイルルーターとして使えるのであれば、PCをテザリングで延々と繋ぎっぱなしでよいように思われる。

ただし、低速通信の使いすぎにも注意が必要である。

SIMによって、低速通信を使いすぎると、さらなる「(超)低速制限」がかかってしまい、「超低速制限状態」に陥ってしまうSIMがある。

BIGLOBE SIMは低速通信は無制限であり、超低速制限がかからないので、私はそんな経験はないが、超低速制限状態になると、10~20Kbpsにまで陥ってしまうらしい。

この速度だとほぼWebのブラウジングも無理である。

3大キャリアでも、ソフトバンクが容量(高速通信容量)超過したときの制限の厳しさは有名で、なんとそれくらいの超低速状態まで速度が落ちてしまって、追加容量を購入しかなくなる、という話を聞いたことがある。

こうなると、200kbpsの格安SIMの方がよほど快適、というのであれば、笑ってしまう話である。

格安SIMで超低速制限状態に陥るSIMは、だいたい、3日間で低速通信を366MB使うと(超)低速制限がかかるというのが相場である。

こうったSIMの代表例が、IIJ系のSIMである。

一方で、低速制限がかからない(超低速制限に陥らない)SIMというのもある。

代表的なものが、

OCNモバイルONE
BIGLOBE SIM
LINE モバイル
mineo

である。

この中で優れているのは、OCNモバイルONEとmineoで、専用アプリをインストールすればワンタッチで高速通信をオフにすることができて(つまりターボをオフにする)、つまり低速通信モードに切り替えることができて、そうすると高速通信容量が減らない。

つまり、1Gバイトといったわずかな容量でも、普段は低速通信で過ごすことで、いざ速さを求めるときだけ高速通信を使えばよいことになる。

BIGLOBEはここが中途半端で、高速通信・低速通信を切り替えることができない。

つまり、月の初めから高速通信容量から使わざるを得ない。

否応なく高速通信容量から使い果たした月の最後の方で、低速通信で過ごすしか無くなることになる。

但しそこからは低速通信が無制限で、超低速制限状態には陥らない。

OCNモバイルONEとmineoであれば、月の最後の方まで、高速通信容量を節約することでいざというときのダウンロードのために十分高速通信容量を残しておくことができる。

とはいえ、BIGLOBE SIMで、低速制限状態で10日間を余裕で過ごせたことを考えると、そこまでの差は無いようにも思ってしまった。

IIJ系でも、hi-hoのSIMは、Webにログインすれば、SIMのターボをオンオフできてしまう。これは優れものであるが、高速通信容量と低速通信容量をどちらも使い切れば同様の超低速制限という問題は起きてしまう。

ちなみに、イオンモバイルは、IIJ系である。

と思っていたら、ごく最近、12月になって、データSIMのみで、タイプ2という低速通信無制限のSIMを販売するようになっていた。

http://aeonmobile.jp/simtype/

なんと、このタイプ2というのは、高速通信容量1G、低速通信であれば無制限に使えて、超低速制限はかからないで、月480円である。

似たような仕様のLINEモバイルが月500円だから、それを意識して発売したものと思われる。

そして、このイオンモバイルタイプ2というSIMは、OCNモバイルONEからのリセールのSIMのようである。

イオンモバイルのデータSIMは、以前から1Gタイプ480円で、IIJ系であったが、それがタイプ1と言われるようになった。

これからは、データSIMに限って言えば、どう見たって、タイプ1のSIMを買う合理的理由は無い。

なんでタイプ1をいまだに売り続けていているのかが不思議なくらいである。

在庫処分だとすると買ってしまう人はかわいそうである。

ちなみに、イオンモバイルのタイプ2のSIMは、通話可能なSIMの発売予定はないようである。

もし、イオンモバイルが、そんな通話SIMを月480円+700円で発売してしまえば、OCNモバイルONEが発売している月1600円か1800円の通話SIMは競争力を失ってしまうだろう。

だから、OCNモバイルONEが再販を認めないのだろうと思われる。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。