4月12日から13日に掛けて黄砂が最悪レベルで飛散するというニュースが流れている。
黄砂対策は、イコール花粉症対策だとされている。
どちらも粉塵であり、鼻・のど・目などを刺戟し、アレルギー症状を誘発し、悪化させる。
そして、今年のスギ・ヒノキの花粉の飛散量も、過去10年間で最大レベルの飛散量であった。
たいへんだった。そうである。
「そうである」というのは、私も長年の花粉症持ちなのだが、今年は対策をきちんと積み重ねていたからか、今年の花粉症をそんなにひどいとは思わなかったのである。
では、どんな対策を心がけていたか。
箇条書きにすると以下である。
1.ビラノア(第2世代抗ヒスタミン剤)を1日一回飲む。夜に寝る前の空腹時服用
2.鼻の穴や目の周りにワセリンを塗る。保湿剤やニベアを顔に塗る。
3.マスクと帽子とメガネを着用する(メガネは防護枠はないがフレームは大きめ)
4.外出して帰ってきたら、鼻うがい(ハナノア、または生理食塩水を自作)をする
5.外出して帰ってきたら、洗面所で目や目の周りを洗って花粉を流す(オフィスでも可能なら洗い流す)。早目に入浴して花粉を流す
6.空気清浄機を家やオフィスのあちこちで一日中かけ続ける
7.洗濯物は外に干さず部屋干しし、空気清浄機の風に当てる
8.帰ってきたら、スーツなどの上着を、空気清浄機の上に吊して、風に当てる
9.床掃除
10.ヨーグルト(R-1)をヨーグルトメーカーで作って摂取。乳酸菌、ビフィズス菌などの錠剤も摂取。柑橘類を皮ごと食べるなどして食物繊維を多く取るなど、整調作用ある食材を摂ることを心がける。
11.ブラックチョコレートを摂る
12.身体と心のストレスの軽減に努める
といったものである。
なんだ、それなら聞いたことがある、という人は多いだろう。
しかし、この全部(か殆ど)を愚直に行えば、花粉症はかなり軽減する。
順に見ていこう。
1.ビラノア
眠くならない抗ヒスタミン剤として、性能的にトップである。
脳に入っていかないということである。
眠くならないランキングの次はアレグラだそうであるが、アレグラでも私は眠くなる。
仕事で眠くなるのはまずいので、ビラノア一択である。
医師の診療費+薬局での薬の処方でなく、クリニックで直接薬を出してもらえるところで処方してもらっているが、保険診療で1カ月分数百円で済む。
ポイントは空腹時に飲むことである。
お腹が膨れているときに飲むだけで、薬効が何割か低下する。
食事後2時間くらいは経った夜の寝る前の空腹時に飲むことである。
2.鼻の穴にワセリンを塗る
これが絶大に効く。
ワセリンはアマゾンで400円くらいで白色ワセリンが売られている。
鼻の穴の鼻孔の内側からすこし入ったあたりに、たっぷりめに塗るのである。
それだけで、花粉を鼻孔で吸着し、劇的に鼻の刺激が減って、楽になる。
鼻をかんだらワセリンは取れてしまうので、オフィスにも常置しておけばよい。
もうひとつは、目の周りにワセリンを塗ることである。
これで目の中に花粉が入るのをかなり抑えることができ、目の充血やかゆみ、疲れをかなり軽減できる。
ただ、目の周りにワセリンを塗るのはべたつくので、やや抵抗はある。
私がやっているのは、花粉症の季節は、保湿剤やニベアを顔に塗ることである。
保湿剤やニベアが肌をおおって、花粉を肌の手前で吸着してくれるので、効果てきめん、顔の肌に対する花粉の刺戟(ヒリヒリ感)を減らすことができる。
花粉症患者は、別に鼻や目だけがアレルギー反応を起こしているわけではなく、肌、とくに敏感な顔の肌は、アレルギー反応でヒリつくのである。
3.マスクと帽子とメガネ
外出時のマスクは、花粉症の季節は必須である。
絶対的に花粉の吸入量を減らしてくれる。
だからマスク装着は、コロナ渦が明けても、変わらない。
コロナ渦明けの開放感で、先日、外出時にマスクを外して過ごしていたことがある。
やはり途中でくしゃみと鼻水で困ることとなった。
帽子がなぜ大事かというと、頭髪に花粉が付かないからである。
外出して帰ってきたときに、頭髪に花粉が付いていないから、リビングや寝室で過ごすときに、花粉が頭髪から落ちてこない、つまり鼻や口に入ってこないのである。
メガネは、私は常時しているのだが、花粉症の季節は花粉を吸着してしょっちゅう水洗いする。
科学的調査でも、普通のメガネを着用しているだけでも、目に入る花粉の量は何割か減るとされている。大きなフレームのメガネならそれだけ有効と思われる。
4.鼻うがい
製品名を宣伝するつもりはないが、ハナノアである。
これは今年はじめてやってみたのだが、たいへん花粉症の症状が軽減した。
帰宅後すぐハナノアで鼻うがいをする。
これで、外で鼻の内側に付いた花粉を洗い流すのである。
最初は500ミリリットルのペットボトルつきで、黄緑色の専用のプラスチック容器を買ってくる。
1日1回か2回やっていると、数日で無くなる。
ハナノアに付いてくるペットボトルの中味は、生理食塩水(濃度0.9%)である。
これは、自分で作れる。
計量スプーンで食塩約5グラムを目分量で量り、ロウトでペットボトルに入れ、湯冷まし500ミリリットルで溶かす。
少々の濃度違いは問題ない。
食塩水にせず水のままで鼻うがいをするのはダメである。鼻が刺激で痛くてのたうちまわる。
湯冷ましで防腐剤もないので1週間くらいで使い切ること。
なお、この鼻うがいは、コロナ感染後に長期化する慢性的なコロナ後遺症(副鼻腔炎)を予防し、静めることに効果があるという報告がされており、私が始めたのも、コロナ感染後の長引く咳を静め、コロナ後遺症を予防するためだった。
5.外出して帰ってきたときに、洗面所で目や目の周りを洗って花粉を流す
これは自宅でも、可能ならオフィスでもトイレや洗面所でやるのが効果的である。
女性は化粧もあるので難しいのだが、男はあまり遠慮が要らない。
要は、外から帰ってきたらすぐに花粉を顔面から可能な限り洗い流しておくことで、花粉が目や鼻にはいってこないのである。
入浴、シャワーも毎日欠かさない。
帰宅後すぐにシャワーで流せば、花粉も洗い流され、目や鼻に入ってこない。
6.空気清浄機を家やオフィスのあちこちで一日中かけ続ける
最近の空気清浄機は、ほぼすべてイオン発生機能がある。
このイオン発生機能が、花粉のアレルギー誘発部分のタンパク質を壊し、花粉のアレルギーを抑えてくれる。
また、集塵機能そのものも、当然有効である。
7.洗濯物は外に干さず部屋干しし、空気清浄機の風に当てる
花粉症の季節ばかりは、洗濯物は部屋に干さない。
部屋干しするか、乾燥機で済ませる。
部屋干しする際には、空気清浄機のすぐ側で干すのがよい。
空気清浄機のイオンは殺菌効果もあるので、洗濯物に雑菌が繁殖しにくく、ニオイも抑えられる。
8.帰ってきたら、スーツなどの上着を、空気清浄機の上に吊して、風に当てる
我が家では、部屋干しの洗濯物を干すハンガーが空気清浄機の上にあるので、そこに、帰宅したら、着ていたスーツや上着を干す。
空気清浄機の風に当てると、スーツに付着した花粉は破壊される。
いきなりクロゼットに収めると、クロゼットの中に花粉を持ち込み、ほかの服にも着いてしまうのである。
9.床掃除
ロボット掃除機をセットして、毎日床掃除をさせる。
花粉を確実に回収してくれる。
高価なルンバでなくても、安価なノーブランド製品を複数買う方が合理的である。
我が家では、家のあちこちでロボット掃除機が働いている。
10.ヨーグルト(R-1)や柑橘類で整腸作用
これも製品名を宣伝しているようだが、R-1は、ほかのヨーグルトより整調作用があるのか、症状が楽になったように思う。
但し値段が高いので、ヨーグルトメーカーに牛乳と一緒に投入して、増やして食べる。
乳酸菌、ビフィズス菌などの錠剤も摂取する。
これも整腸作用のためである。
また、エビオス錠も飲んでいて、これも整腸作用。
また、柑橘類を、粗皮だけ向いたら、そのまま内皮ごと食べる。みかんどころか、はっさくでも、内皮ごと食べる。スジもとらない。食物繊維とポリフェノールが、果肉よりはるかに多いのがわかっているからである。
そうやって食べると、胃がすっきりするのが自覚できるくらいである。
食物繊維の整腸作用は花粉症を改善する。
ポリフェノールも花粉症を改善する。
クスリだと思って、少々苦かろうと、ゴクリと飲み込む。
11.ブラックチョコレートを摂る
ポリフェノールの花粉症抑制効果は研究も公表されており、チョコレートも有効とされる。
ポリフェノールは抗酸化作用で健康全般によい。
但し、ブラックチョコレートでないと糖分過多になるし、ポリフェノールを摂るのが目的なので、カカオ分70%以上のチョコレートにしている。
カフェインレスコーヒーや緑茶も積極的に摂る。これも、ポリフェノール、カテキンなどが、花粉症に効く。
12.身体と心のストレスの軽減に努める
花粉症はアレルギーの一種である。
腸の調子を整えることがアレルギー抑制によいことはやはり研究で明らかになっている。
ストレスで、精神的に参っていたり、身体が疲れたりしたときには、アレルギー症状はひどくなる。
私は蕁麻疹もときどき出て、やはりビラノアを飲んで抑えたりする(ビラノアなどの抗ヒスタミン剤は蕁麻疹やアレルギー全般の薬である)のであるが、それも決まって心身のストレスが昂じたときである。
だから、花粉症も、心身の体調を整えること、つまりストレスをうまく散らして蓄積させないこと、リフレッシュの時間を取り、静かに心と体を休める時間を作り、夜更かしせずに疲れをとることである。
13.最後に
ひどい花粉症の症状には、ステロイド点鼻薬、ステロイド点眼薬といった、かなり有効な対処療法もある。
のどならば、ぜんそくのようなひどい状態になればステロイド吸引剤も有効である。
ただ、そういったケースは、心身のコントロールができていない、いっぱいいっぱいでコントロールする習慣付けをする余裕が無い、またはコントロールする意識がない場合も結構あると思われる。
一番よいのは、自分の心と体の状態を注意深く観察し、冷静に分析して、対処方法を勤勉に調べて試し、ひどくならないうちに、上記のような対策で、花粉を洗い流して目や鼻やのどに入れないで、全身状態を整えるような対策を積み重ねるのである。
実は、それぞれの対策は、そこまで面倒では無い。
要は、それらのメニューを確実にこなし、自分をコントロールする意識付けと、習慣付けである。勤勉であること。
実は、差が出るのはそこである。
それぞれが20~30%花粉の吸入量を減らしたり症状を軽減する程度としても、8つくらいの対策を実施すれば、花粉の吸入量はたちまち1~2割まで激減させられる。
黄砂であっても、大事なのは、黄砂を洗い流し、居室寝室に持ち込まない、アレルギー反応を抑えるための全身状態の整備であるから、基本的に対策には差は無いのである。