自宅のWifiのパケ詰まりが頻繁になってきたので、Wifiルータを入れ替えることにした。
3~4年ごとくらいにはWifiルーターは入れ替えることにしている。
Wifiルータは、酷使される割りに、機械の耐久性が低く、快適にキチンと動く寿命は3~4年くらいと思う。ルーターの買換は、PCの買換よりサイクルが早いくらいに思っておくのがよいと思う。
価格面で言っても、2~3万円のWifiルーターでも、5000円前後のWifiルーターでも、耐久性や使用に耐える年数は大差ないように思う。
経験上、どのメーカーのものでも、だいたい3~4年で、しょっちゅうパケ詰まりが起きたり動作不良を起こすようになる。
また、3~4年経てば、Wifiルータの暗号化機能が進んでいる。
古いルータの暗号化機能はかなり危ないので新しめのものに更新しておかないといけない。
Wifi6は、多数のスマートフォンやPCを同時接続した時の電波の割り付けがスムーズで、複数クライアント端末の接続切り替え時に起きうるパケ詰まりが少ないため、通信のスピードと快適性は大きく向上する。
また、Wifi6では、メッシュ化といって、何台ものルータをポリゴン状(三角形、四角形さらに多角形)に縦横に無線接続し、並行処理されるので、ひと昔前のWifi中継器より余程通信はスムーズになる。
今回はTp-linkのWifiルーター、Archer AX23V(AX-1800)を3台購入して、3台をメッシュ接続(Easy Mesh機能を使う)設定することにした。
Amazonで税込4000円弱×3だった。
3台購入したのは、1台で我が家全体をカバーするような強い電波の値段の高いWifiルーターを買うより、安価なものを3台繋げた方が、各フロアや庭をよほど広くカバーでき、電波の死角が減るからである。
3台のうち、1台をメインルータにし、2台をサテライトルータに設定する。
実際にやってみた作業を簡単に箇条書きにしておく。
なお、Buffaloその他他社のWifiルーターでもEasy Mesh規格に準拠したものはあり、それらでも考え方の基本は同じである。
1.メインルータの設定
(1)Wifiルーター(AX23V)1台目(メインルータ)の背後コネクタのWAN側コネクタと、光回線ルーターのLAN側コネクタを、LANケーブルで繋ぐ。
(2)Wifiルーターの電源をオン
(3)PCからWifiルーターにWifi接続。ルータ背後のPINコードを打ち込む
(4)Google Chromeブラウザ(Microsoft Edgeブラウザではできない)から、アドレスバーに、「192.168.0.1」を入力しルータの管理画面に移動する。
(5)AX-1800管理画面が表示される。最初に、管理者パスワードを設定するように指示される。2つのフォーム欄があり、1つは確認用入力欄である。この管理者パスワードのことを、「ローカルパスワード」とTp-linkでは呼ぶようである。間違えやすいので、管理者パスワード=ローカルパスワードだと憶えておくのがよい。管理者パスワードを設定し、メモしておく。
(6)(必須な作業ではないが)、ルータの名前を変更しておく。メーカー独特の名前を変更するのがよい。不正侵入防止の気休め程度にはなる。
(7)(同じく必須ではないが)、ルータのPINを、背後に書かれているものから変更しておく。特にTp-linkは数字8桁という安直なPINが初期設定されているので、不正侵入防止のため、必ず英語記号を交えたものに変更する。変更したPINはメモしておく。
2.1台目のサテライトルータの設定
メインルータの設定の上記1.(1)~(7)までと同じ。サテライトルータにしたいWifiルータをいったん光回線ルーターにLAN接続しないと、設定作業はできない。なお、サテライトルータの設定のため管理画面にアクセスしたい際に、PCからWifi接続するのは、あくまでサテライトルータにしたいルータである。メインルータにWifi接続しても、サテライトルータにしたいルーターの管理画面にはアクセスできないので注意する。変更したルータの名前やPINはメモしておく(ルータの名前はメインルータと別にしておく。出荷時の初期設定状態でもWifiルーターのネットワーク名は少しづつ変えられている)。メインルータの電源はいったん切ってからサテライトルータの設定を始めた方がわかりやすいだろう。
(8)AX-1800管理画面の「詳細設定」のタブから、「Easy Mesh」タブに進み、モード切替で、この1台目のサテライトルータ予定のルータの設定を、「メインルータ」から「サテライトルータ」に、設定変更する。
3.1台目のサテライトルータをメインルータにぶら下げる設定をする。
(1)メインルータを、1(1)の手順と同じく、光回線ルータとLANケーブルで繋ぎ直す。メインルータとサテライトルータ1台目をどちらも電源オン。
(2)PCをメインルータにWifi接続し、Google Chromeからルータ管理者画面に移動する。
(3)詳細設定のタブから「Easy Mesh」タブに進み、サテライトルータを検索する。サテライトルータの電源を入れてあれば見つかるので、メインルータのサテライトルータとして登録する。
4.2台目のサテライトルータの設定
上記2.また3.(1)(2)(3)と同じ手順で2台目のサテライトルータを設定し、メインルータにぶら下げる。この際、1台目のサテライトルータの電源は切っておいた方が混乱しないと思う。
3台のルータを部屋の各所に配置する。2台のサテライトルータをそれぞれ、メインルータから電波が届く程度の位置に置く。これでエリアは拡がる。扱い方は中継器と変わらない。
これで、3台のAX23Vが、メッシュ接続され、メインルータのネットワーク名+PINでネットワークに入れることになる。
5.注意点
このEasy Meshの設定自体はあまり難しくないのだが、Tp-linkでは、具体的な設定方法がマニュアルに書いていない(笑)。
オンラインマニュアルでも、管理画面入りで紹介されていない。
ネットでも、あまり紹介されていない。だから備忘録として書き残しておくことにした。
機種によって微妙に管理画面が異なると思われるので、注意してほしい。
管理画面の操作で混乱しやすい点として、ローカルパスワード=管理者パスワードのことだと理解していないと混乱する。
他のパスワードである、「TP-Linkパスワード」(メールアドレス+パスワード。Tetherアプリの管理等のため設定する)、「PIN」(Wifiルーターの背後にシールで貼られている)との区別が混乱し、管理画面のどこでどのパスワードを入力するか間違えやすい。
もし管理者パスワードや変更したPINを忘れてしまった、と言う場合は、クリップなどの先でルータのリセットボタンを10秒押せば、工場出荷時の初期設定状態に戻る。
なお、Tp-LinkのAX23Vでは、スマートフォンアプリ(Tether)上ではEasy Mesh設定ができない。
だからPCでブラウザからWifiルーターにアクセスするのだが、ブラウザはEdgeではダメで、Chromeなら動作する。
また、ルータモード(Tp-linkではWiFiルーターモード)・ブリッジモード(Tp-linkではアクセスポイントモード)でいえば、サテライトルータは、ルータモードで動作させる。
これだと二重ルータ状態になって遅くなるのでは?と一瞬疑問を感じるかもしれないが、Wifi6はそもそもメインルータを多重化する新しい技術なので、二重ルータ状態にはならないと思われる。
6.まとめ(メッシュ接続のメリット)
これまで、Wifiルーターの電波エリアを拡げるのに中継器を使っている人からすれば、これなら従来の中継器と変わらないのでは?と思ったかもしれない。
中継器ならWPSボタンだけで繋がるものもあるからである。
Wifi6+メッシュ接続のメリットは、大きなものとしては以下の4つである。
(1)安くなったEasy Mesh対応のルータを複数台購入することで、高価で高出力電波を出すWifiルータ以上によほど広いエリアをカバーできる。1台が壊れても、中継器専用機でもなく、買い足すことが簡単である。Easy Meshは共通規格なので異なるメーカーでも繋げなくはないようだが、同メーカーのものが推奨されている。
(2)Wifi6なら、多数台のクライアント(スマートフォンやPC、テレビなど。端末側)に同時平行にスムーズにデータをやりとりして流すことができる。ライアントが多数台になるほど、また動画などデータ量が増えるほど、従前の方式ではルータ側の処理の負担が増えて、パケ詰まりや動作不良を起こしやすくなるが、それがWifi6ルーターでは改善される。
(3)中継器だとメインルータ側がすべての中継器も含めたデータ転送の制御をするが、Wifi6では各Wifiルーターが分散処理するので中継器より処理が早くなる。
(4)クライアント端末側の通信機能をスリープ状態へ移行させることでクライアント端末側の消費電力が抑えられる
以上、(1)~(4)でまとめたように、Wifi6ルーターに乗り換えることで快適性は高まる。
コストパフォーマンスもかなりよい。Wifi6ルータは2019年に策定された規格だが、この3年ほどの間に、1台4000円から買えるほどにダウンサイジングが進んだ。
高出力の高価なルーターを買っても死角を潰しきれるとは限らない。だから結局中継器を買い足すというのはありがちである。
複数台ルータによる分散処理ができてエリアが拡げられるメッシュ接続は、第一選択として検討するのがよいと思う。