LTEスマホでなくても十分使える~3Gスマホの勧め

イオンのスマホ第2弾
スマホ機種でいうとgeanee FXC-5Aと、Biglobeの格安SIM(月1GBプラン)を、使い始めて3ヶ月になる。
スマホ本体価格は約16000円。
ちなみに、BiglobeのSIMを契約しなくてもgeanee FXC-5Aはイオンで単体で購入できる。
さらにスマホ本体に3年保証をつけられる。月250円を34ヶ月支払う。約9000円。
計25000円というところである。
ドコモ、au、ソフトバンクでは月額の通信料金が最低7000円はかかるところ、格安スマホSIMの月額の通信料金は500円から1000円以下なので、わずか3,4ヶ月で回収できる額である。

そして3ヶ月使ってみて、実に快適であるというのが感想である。

イオンのスマホ第2弾GeaneeはLTE対応ではない。3G回線対応である。
だからBiglobeのSIMのタイプはLTE対応(最大150Mbps)であっても、最大速度は14.4Mbpsということになっている。

さて、注意すべきは、LTE対応スマホであっても、決して150Mbpsなどといった速度が実効速度レベルで出ることはないということである。

LTEスマホの実効速度も、もちろん3Gスマホの実効速度も、意外に遅いことは賢い消費者としては知っておくべきである。

3G/4G LTEの実効速度は?(スマホの月額料金を抑えたい)

によると、ドコモで、3Gが1.97Mbps、LTEで11.51Mbps、auで3Gが2.26Mbps、LTEで10.37Mbps、ソフトバンクで3Gで1.6Mbps、LTEで12.71Mbpsである。

MVNO主要6社の平日昼休み帯のスピードテスト結果 2014/6/26

によると、昼休みという非常に混み合って遅くなる時間帯でのシビアな条件下では、なんとMVNO主要6社(OCN、BIC、Biglobe、日本通信、楽天、DTI)では、LTEの速度(下り)が軒並み3Gを下回っている。3Gでもせいぜい1Mbpsだが、LTEはそれ以下である。
驚くべきは、LTEの速度が3Gを「上回っている」のでなく「下回っている」のである。一方、ドコモは18.80Mbpsとダントツである。、

このスピードテストの結果は、ある意味衝撃的であるが、なるほどと頷ける内容である。
3Gが一般道路、LTEが高速道路のはずが、高速道路の方が10倍速いはずがかえって遅くなる。簡単な話で、LTEの電波帯域が渋滞しているということである。
おそらく夜9時以降や週末なども混雑しているからこれと似たり寄ったりの状態なのであろう。

さらに、LTEスマホの電池は非常に持ちが悪い。

3Gスマホなら3~5日くらい充電しなくても大丈夫なことがあるが、LTEスマホはほぼ毎日充電しないといけないし、1日持たずに電池が切れることが結構ある。これは、LTE電波の待機にかなりの電力を食うこと、3G電波もあわせて待ち受けるために、電池の消耗が倍以上激しいからである。

燃費が悪いし、なにより充電が面倒なことこの上ない。

このような状況では、MVNOでわざわざ高価なLTEスマホを使う必要はないことがわかる。

LTE用(3G電波も拾えるもの)のSIMを、3Gスマホに挿して使うのが一番バランスがよい。

つまり、イオンのスマホ第2弾の3Gスマホgeaneeのバランスのよさは、なかなか魅力的である。

まあ、メモリの容量が少ないので、大量のアプリ(ゲームなど)をインストールする人には使い物にならない代物ということはなるのだが。

実はLTEスマホであっても、Androidの設定でLTE受信をオフにしてしまうことができる機種がある。

LTE Settingなどのアプリを使ってもできることがある。

そうなると電池の持ちがたちまち何倍にも長くなる。
これは隠れたテクニックである。

ちなみに節電を歌っているアプリが実は悪さをするマルウェアだということは非常に多いのでよく注意して自己責任でやってほしい。
が、3Gの速度でも十分実用に耐えるならば電池持ちを考えていつもLTEは切っておきたいという人は意外と多いはずである。

そして、3GのMVNOのスマホが1Mbpsくらいの実効速度しか出ないとしても、動画などをみない限り実はそれほど困るわけではない。

ところで、ブラウザによるデータ圧縮を利用して回線速度を何倍にも高めることができることはご存じだろうか。

私はブラウザはOpera Miniを使用している。Opera Miniにはデータ圧縮機能がついており、理論的には、最大90パーセント、つまり10分の1にデータ圧縮をしてくれる。私が3ヶ月使ってみたところ、実績で78パーセント、ざっと5分の1に圧縮してくれている。

仮にMVNOで混んでいる時間帯で1Mbpsしか出ていないとしても、5分の1に圧縮してくれていれば、体感速度は5Mbpsである。仮に混雑しない時間帯で4Mbps出ていれば体感速度は20Mbpsまで高まる。

実際にソフトバンクのiPhone5(もちろんLTE)の標準ブラウザを使っている人に試してもらったところ、「イオンスマホはiPhoneよりちょっと遅い程度」で同じサイトを表示してくれるという。
渋滞している道路を走るなら、細身のバイクですり抜けるのがよほど早い、ということになるのである。

こんな使い方をしていると、月1Gなどという容量制限を使い尽くすことはまず無い。

さらに、たとえ月の容量制限を超えたとしてもそれほど恐れることがなくなる。速度が200kbpsに制限されたとしても、Opera Miniでブラウザのデータが5倍に圧縮されていれば1Mbpsの体感速度が確保されるからである。

こういった工夫をすれば、3Gスマホを使っていて全然不便を感じないということがわかるだろう。

西村幸三

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京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。