藤井総太七段のデビュー連勝以来、「見る将棋」にハマっている。こんな楽しい見る将は、羽生マジック時代以来か。
昔は棋譜を雑誌でみていたものだが、今は、AbemaTVで、藤井総太七段の将棋のほとんどがフルで放送されている。
また、Youtubeで夜には一般人のチャンネルによる棋譜速報が流れる(著作権上の問題で権利関係は不安定である)。
藤井総太七段の将棋は、見ごたえのある名局が多い。
特に今年に入ってからは、8大タイトルホルダーや名人戦リーグA級B1級を相手にする機会が多いのに、8割以上の勝率で勝ちまくっている。
将棋の内容もいい。
特に、コロナウイルスで高校が休校になった3か月明けからの対局が、恐ろしく充実している、と思う。
序盤から中盤にかけてびっくりするほど長考し、対局相手よりかなり多めに時間を使う。しかし、終盤、さらに秒読みになってからの迷いのなさは驚く。
終盤に有利に持っていける段階くらいまでの数十手の膨大な分岐を序盤中盤でじっくり時間をかけて読んでいるのだろうと思われる。
昨年までは、研究負けで序盤中盤で頓死することが多かったが、それが明らかに減っている。
相手に攻めさせない裁かせないで優勢を築く棋風が強くなってきた。
レーティングも1位。
藤井総太七段を阻む棋界の最後の牙城は疑いなく渡辺明・豊島将之の2人で、藤井総太七段も豊島将之だけには昨年までおよそ歯が立たなかった。周到な序盤中盤のスキのなさに攻めあぐねからめとられて作戦負けしていたのである。渡辺明はその豊島将之を五分以上で撃破できる唯一の棋士。
しかし、棋聖戦第1局をみて、藤井総太七段は、この間わずか数か月で渡辺明と同等以上のレベルに到達したなと確信した。
すでに渡辺明棋聖・木村一基王位へのタイトル挑戦が確定している。タイトル獲得の可能性は高い。
さらに竜王戦決勝トーナメントの組み合わせは藤井総太七段にかなり有利で、挑戦者決定戦まで到達し、勝ち抜く確率が高い。
竜王・名人の豊島将之と、渡辺明3冠の、名人戦での戦いを見ていて、二人とも藤井総太七段よりミスが目立つ、と感じるのは私だけだろうか。
藤井総太七段がタイトル2期(棋聖・王位2冠)をとれば、直ちに昇段し、八段となる。竜王位もとれば、タイトル3期で九段である。
将棋の世界でも、学業の世界でも、仕事の世界でも、コロナで時間があまったのを好機と考えて、ここぞとばかり、集中して時間と労力を注ぎ込んで研鑽を積み、イノベーションに取り組み、ビジネスプランの練りこみを重ねた者が、学業でも、仕事でも、ここから、飛躍的な成果を上げるようになるだろう。