中性洗剤(ママレモン)希釈液で拭き掃除してコロナ消毒

コロナウイルスの消毒は、中性洗剤希釈液による二度拭きが推奨されている。

タッパーに中性洗剤(たとえばママレモン)希釈液を作り、そこに浸したダスターを事業所のあちこちに置いて、オフィス・店舗・施設等の、複数の人が触るテーブル・ドアノブ・備品・トイレなどあちらこちらをしょっちゅう拭こう。

モノを触っての感染を防止できる。

以前にSARSがアジアで流行した2003年に、国立感染症研究所が SARS コロナウイルスは中性洗剤の界面活性剤で無効化できると検証して発表した。
http://www.med.oita-u.ac.jp/infectnet/SARS/SARS_report_00567.html

それを受けて、SARS感染者が出た場合の飲食店の消毒方法として、公益財団法人 全国生活衛生営業指導センターが、

「みんなでできる SARS 対策(マニュアルの要約版)」
http://www.seiei.or.jp/db-pdf/sars_02.pdf

を、公表した。

生活衛生同業組合の元締めのマニュアルだから、保健所や厚生労働省肝いりである。

消毒にあたっては、

居間等の用品その他のものは「台所用合成洗剤の希釈液(0.5~1%)に浸した雑巾で二度拭きする

」とある。

手指はアルコール 70~80%でとある。

つまり、モノの対 SARS 消毒は中性洗剤の界面活性剤でやるのが以前からのスタンダードである。

新型コロナウイルスは、COVID-19(SARS CoV2 ウイルス)というように、SARSの変異株で、同じように界面活性剤に弱いのは明らかだった。

政府でも、新型コロナウイルスでどんな家庭用洗剤の界面活性剤に弱いのか、主要洗剤について研究機関で急遽検証がされた。

経済産業省・(独)製品評価技術基盤機構
新型コロナウイルスに有効な界面活性剤を公表します(第二弾)
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529005/20200529005.html

広報ポスター
https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200529005/20200529005-1.pdf

動画
https://www.youtube.com/watch?v=38HY_4-5sCU&feature=youtu.be

有効と判断された界面活性剤は次の7種

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
アルキルグリコシド(0.1%以上)
アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)【5月28日追加】
塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)【5月28日追加】
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)

製品例
https://www.nite.go.jp/data/000109226.pdf
キュキュット ハンドマイルド
除菌ジョイ コンパクト
ジョイ ボタニカル
KiRei食器用洗剤
チャーミー マジカ酵素+
チャーミー マジカ除菌+
チャーミー マジカ速乾+
チャーミー 泡のチカラ手肌プレミアム
ママレモン
チャーミーマイルド
など

要は、わかりやすく、ママレモンでよい。

ママレモンは、強力な界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使っている、強力な洗剤だからである。

ママレモンの成分表には、

界面活性剤 (27%、直鎖アルキルベンゼン系、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)

とあるから、水で50~100倍に薄めるといったところである。

ママレモンは界面活性剤として強力なだけに、手荒れしやすいので、手袋をして拭いたり、吹いた後は手を洗い流しておくようにすべきである。

経済産業省サイトには、住宅家具用洗剤、お風呂用洗剤リストもある。

飲食店、特に生食材を扱う店では、ノロウイルス対策に、次亜塩素酸希釈液に浸したダスターで、わずかな作業の合間にもキッチンのあちこちを手際良く拭いている。

ノロウイルス除去には、中性洗剤希釈液ではダメで、次亜塩素酸希釈液が必要。

ただし次亜塩素酸希釈液は手が荒れる。家具も傷めることがある。

つまり、コロナウイルスの消毒は、家庭や事業所での、モノに関しては、中性洗剤希釈液の界面活性剤で十分である。

アルコールは人の手の消毒で使う用。

中性洗剤希釈液で、人の出入りある空間、しゃべる空間では、しゃべった人の口から飛んだ飛沫がモノにつくと考え、まめに、すかさず、ドアノブやテーブル、触った備品類を拭いてしまうのである。

こういったことを各事業所が励行するだけで、ずいぶん感染防止になると思われる。

それでも手につくことは防げないので、手洗いを励行し(石けんやハンドソープの界面活性剤で手洗いし、よく洗い流すことでウイルスは激減する)、手で顔を触らない。

なお、家庭用洗剤をアルコールのように手にまぶしてはいけない(あたりまえだが手が荒れる)。

モノの消毒に使う用である。

というのが、生活衛生営業の衛生常識からみたスタンダードなのである。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。