任意後見契約のやりかた

任意後見契約を締結する方法について、先日、相談者に案内をしました。

 

わかりやすいQ&A方式にしましたので掲載しておきます。

 

なお、どのような案にするか(家族を後見人候補にするか、弁護士を後見人候補にするか、組み合わせるかなど)は、家族関係・人間関係などをよく検討しないと、判断を間違えることがありますので、弁護士に相談したうえで作成することをお勧めします。

 

連絡先:京都公証人合同役場
住所 〒604-8187 京都市中京区東洞院通御池下る笹屋町436-2 シカタディスビル5階
連絡先 TEL075-231-4338 FAX075-231-0550

 

Q. 任意後見契約とは、どういうものですか?

 

自分が元気なうちに、自分が信頼できる人を見つけて、後見人候補として指定して予約しておく、つまり、その人との間で、もし自分が老いて判断能力が衰えてきた場合等には、自分に代わって、財産管理や必要な契約締結等をしてくださいとお願いしてこれを引き受けてもらう契約が、任意後見契約です。

 

Q. 任意後見人は、いつから仕事を始めるのですか?

 

任意後見契約は、本人の判断能力が衰えた場合に備えてあらかじめ結ばれるものですから、任意後見人の仕事は、本人がそういう状態になってから、始まることになります。

 

具体的には、任意後見人になることを引き受けた人(「任意後見受任者」といいます。)や親族等が、家庭裁判所に対し、本人の判断能力が衰えて任意後見事務を開始する必要が生じたので、「任意後見監督人」を選任してほしい旨の申立てをします。

 

そして、家庭裁判所が、任意後見人を監督すべき「任意後見監督人」を選任しますと、そのときから、任意後見受任者は、「任意後見人」として、契約に定められた仕事を開始することになります。

 

Q. 任意後見契約を結ぶには、どんな書類が必要ですか?

 

下記の書類を揃えてください(発行後3か月以内のものに限ります)。

 

本人について・・・・印鑑登録証明書、戸籍謄本、住民票
任意後見受任者について・・印鑑登録証明書、住民票

 

 

Q. 任意後見契約公正証書を作成する費用は、いくらでしょうか?
下記のとおりの費用がかかります。

 

公証役場の手数料

1契約につき1万1000円(夫婦それぞれの場合2契約となりこの2倍になります)、それに証書の枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚を超えるときは、超える1枚ごとに250円が加算されます。
法務局に納める印紙代
2,600円
法務局への登記嘱託料
1,400円
書留郵便料
約540円
正本謄本の作成手数料
1枚250円×枚数

 

また、受任者が複数になると(共同してのみ権限を行使できる場合は別として)、受任者の数だけ契約の数が増えることになり、その分だけ費用も増えることになります。

 

例えば、任意後見受任者を、(1)第1順位 誰々 (2)第2順位 誰々 と定めることもできます。この場合、二人ともが、公証人役場に行かなければいけません。この場合、手数料は、2人分×2= 4倍になります。

 

 

Q. 病気などで公証役場に出向くことができないときでも、任意後見契約を締結することができますか?

 

その場合には、公証人が、自宅や病院に出張して公正証書を作成することができます。

 

なお、この場合には、上記1の手数料が50%加算される(1契約につき1万6500円になります。)ほか、日当と現場までの交通費が加算されます。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。