コロナ禍も丸2年を過ぎて、なお、収まらない。
在宅ワークも、なにかのときに、あるいは、適宜実施するのが、普通になってしまった。
打ち合わせも、リアル面談しか無理という人も以前よりはかなり少なくなった(あえてリアルのほうがよい場合があるのはもちろんである)。
では、どんなビデオ会議ツール、連絡ツール、コミュニケーションツールを使っているかと言えば、相手によって本当にバラバラである。
やたらとツールのバリエーションが増えたということは感じる。
結局こちらが合わせていく、なぜなら、合わせられるから、ということになる。
それでは、ビデオ会議ツール&コミュニケーションツールで多用しているものに、どんなものがあるのか、見ていこう。
ZOOM、Teams、LINE、Skype、Facebook messenger、Google Duo と Google Meet、その他とみていく。
1.ZOOM
ZOOMは、大半の人が使ったことがあるから、ほとんどのビデオ会議では、ZOOMの招待用URLが送られてくることになる。
後述する他のツールでは、結局、操作方法がわからなくて会議に入れないで混乱してしまう人が続出するからである(笑)。
利用は有料で、無料で主催できる会議は40分が限度である。
会議を主催するにはZOOMの有料アカウントを持っていないと主催した会議が40分で切断される。但し再接続をクリックしてすぐに会議再開は可能である。
誰か一人有料アカウントを持っていれば、その人が主催すれば切断は生じない。
ZOOMは、有料アカウントであっても無料アカウントであっても保有しておいて、アプリケーションを、PCとスマートフォンにはインストールしておいたほうがいい。
アプリケーションなしでもブラウザで動作するといえばするが、操作がイレギュラーで、会議に入ろうとするときの操作が非常にわかりにくい。
アプリケーションを入れておかないと、接続しようとしたときにスムーズで無く、操作がわかりにくく、そもそも会議画面にたどり着かないことになりかねない。
ZOOMが採用される理由は、なんといっても、音質が良いことである。
音が途切れないのである。
これは、音声や動画の圧縮性能が高いからである。
回線スピードが1.5mbpsもあれば、ほぼ途切れること無くZOOMでビデオ会議は可能である。
つまり、格安SIMのmineoの「パケット放題」の速度が出ていれば、不自由なく使える。
これは他のビデオ会議ツールでは無理な技であり、ZOOMの優位性がある。
ZOOMは、経営者が中国系であるとか、中国にもサーバーが置かれていたりといわれて、経済安全保障上人気が無い。
ZOOMは、有料アカウントであれば、データーを置くサーバーを日本国内に置くといった指定ができる。
ビデオ会議ツールとして使うだけなら、Zoomで一般的に強めのセキュリティ対応の設定を施して使うしか無かろうとは思われる。
2.Teams
Teamsは、Microsoftの製品である。
Teamsは、Microsoft Officeの製品群の一つを構成しており、ビデオ会議機能以外にも多機能にわたり、データファイルの編集をメンバー間で共有するなどの機能を有しており、良きにつけ悪しきにつけ、機能が肥大化している。
余計な機能が肥大化しすぎて、アプリケーションのサイズが巨大化してしまっている。
インストールしただけで、PCのメモリまで圧迫する。また常駐して常に起動するのでうっとうしい。
つまり、いつもTeamsを使っているわけでもなければ、邪魔になっている感が半端ではない。
そして、肝心のビデオ会議では、Teamsは遅くて音が途切れることがしょっちゅうある。
あるだけでPCのリソースまで足を引っ張って、音も途切れるというのが、いかにもMicrosoftの製品らしい。
中央官庁が採用しているのは、ZOOMではなくTeamsである。
なぜなら、ZOOMでは中国にデータが盗まれては困るからという安全保障上の理由である。
中国製でなく、Microsoftの製品ということもあり、社内でのデータ共有などコミュニケーションツールとして多くの企業で採用されつつある。
コミュニケーションツールとして似たサービスとしては、Slack、Chatworkといったものがあるが、どちらも有料である。
裁判所も、民事訴訟や刑事訴訟の電子化にTeamsを本格採用することとしており、現在も裁判期日のビデオ会議はTeamsで実施されている。
しかし、最高裁判所の方針で、一つの法律事務所に一つのアカウントしか付与してくれない。
弁護士一人の事務所というならともかく、数百人の事務所にもアカウント1つ、同時にビデオ会議できる案件が一つだけというのは、論外というしかない。
頭の固い「お上」根性、役人根性が丸出しである。
また、中央官庁とのビデオ会議をしていると、Teamsでは、やたらと切断されたり音飛びがしやすい。
民間で会議をやっていてTeamsで切れると言うことはめったにないので、中央官庁のインターネットへの接続環境が低速なことが想像される。
日本の役人のITリテラシーの低さには、暗澹とすることがあるが、それがよくわかるのがTeamsの使いこなしのレベル感である。
とはいえ、日本の裁判のIT化はTeamsのもとでおそらく先進的に進むことになるだろうと思われる。
不安なのは、訴訟の提起も、Teams上でやらないといけないということである。
MicrosoftにおいてサーバートラブルでTeamsのサーバーが停止して、期日通りに書面が出せなかった、敗訴確定、などという事態が生じないとも限らないからである。
なお、Teamsが途切れず使える回線速度は、3~4mbpsくらいであり、結構通信量が多い。
少なくとも、mineoのパケット放題の1.5Mbpsの速度では、Teamsでのビデオ会議は無理である。
全般にTeamsは、ZOOMより途切れやすい。
繋げる時間は無制限だが、安かろう・悪かろう・「重かろう」状態になっており、さすが曰く付きのMicrosoftらしさが出てしまっている。
3.LINE
実はLINEでもビデオ会議はできる。
LINEが秀逸なのは音声通話の性能の良さである。とにかく、必要とする通信速度が低く済む。
ビデオなしの音声通話であれば、auのpovoで何もトッピングしない状態、つまり128Kbpsでも、余裕で会話ができる。
音声圧縮技術では、LINEは昔からずば抜けており、海外出張に行ったときなどは、国内にはLINEのコールクレジットでかけるのが、音質的にも優秀で定番だった。
しかしビデオ通話にすると、とたんに音質画質の水準が下がる。
2人で話していても、mineoの1.5mbpsでは多少途切れる。
多数でのビデオ会議となると、通信容量が増えてきて、途切れることがしょっちゅうである。
画面のサイズも重要なようで動画を大きく写すと通信容量が増えるので、画面サイズを小さくするのがコツである。
この、映像部分の画面サイズを小さくする、最小化する、不要な場合はビデオをオフにする、というのは、ZOOM、Teams、LINE、殆どのビデオ会議ツールの通信量圧縮の定番であるが、あまりやっている人は聞かない。
LINEは、ビデオなし、音声通話の多人数会議であれば、グループLINEで簡単にでき、また、グループLINEを使わず個別に招待することもでき、およそ最強のツールである。
ちなみにグループLINE上でチャットもできる。
スマートフォンのグループLINEで会議をしながら、PCにLINEのアプリケーションを入れておいて別にチャットをするということもできる。
LINEは通話時間の制限も無い。
4.Skype
Skypeは、Microsoftの製品である。
Windowsに最初にログインするときに、マイクロソフトのアカウント(日本だったら、 @outlook.jp)を持っていれば、そのマイクロソフトアカウントのIDとパスワードでSkypeにログインすればいい。
Skypeユーザーは、お互いに検索できてしまうし、メールも送れてしまうので、怖いと言えば怖いが、あまり迷惑チャット(迷惑メール)というのは飛んでこない。
スマートフォンも無かった時代から20年近くの歴史を持つ無料通話アプリであるが、ZOOMやLINEのように手の届く便利な機能を持たなかったため、凋落に歯止めがかかっていない。
時間無制限で無料で音声通話もビデオ通話も使える。
Microsoftアカウント、つまりPCと紐付けられていているので、実は各人一つはアカウントを持つことができるのである。
だから、PCを持って仕事をしている人同士で繋がって連絡をとるのは、実は簡単である。
マイクとカメラのあるPCに、ヘッドセットを接続すれば、誰でも自分のMicrosoftアカウントでSkypeにログインすれば、ビデオ会議ができるはずである。
Skypeは、ビジネス上の繋がりある関係には向いている。
古参の、手慣れたユーザーが多い印象である。
LINEは個人用としている人が多いから、手軽にお互いのアカウントをアドレス帳のように登録しておいたりグループ化しておきたければ、Skype同士で繋がっておくことはお勧めである。
外部の人とTeamsで繋がっておくのは、操作や概念の理解や整理が面倒なのである。
Skypeは、スマートフォンにもアプリを入れられる。
オンラインビデオ会議も実は可能で、アカウントなしでも簡単に会議ルームを立ち上げることができ、招待メールのURLを発行すれば、Skypeを入れていない人もビデオ会議に参加できる。
時間無制限、参加人数は100人まで。日常用途としては十分である。
音声品質、動画品質は悪くないが、やはり、通信容量として2~3mbpsくらいを消費する。
ZOOMよりは通信量は多く、ZOOMやTeamsほど通信量は食わない。
音が途切れることもTeamsほどではないが起きる。
5.Facebook Messenger
messengerは、Facebookの、チャット(メール)ツールである。
Facebookで繋がっている者同士はmessengerでメールを送信することができる。
相手がFacebookアカウントを公開していたり、または友達の友達なら、チャットを送ることができるのが普通である。
Facebookで繋がらず、Messengerだけで友達関係で繋がることもできる。
このMessengerは、チャットだけで無く、音声通話も可能、ビデオ通話もビデオ会議も可能である。
ただし、通信品質はあまり良くない。
音声通話でも途切れることが多い。
仕事では、Facebookで繋がっている者同士がMessengerで最初に連絡や電話をしあえるツールとして、意味がある。
しかし、次に話したければ、他の音質のよい音声通話ツールに切り替える方が、ストレスは無いように思う。
6.Google Duo と Google Meet
Google Duoは、Androidスマートフォンの携帯電話番号と紐付いている無料通話・ビデオ通話・チャットツールであり、ビデオ会議主催も可能である。
Google Meetは、Gmailと結びついていて、やはり、無料通話・ビデオ通話・チャットツールであり、ビデオ会議主催も可能である。
Google Meetは、日常用途でも60分超のビデオ通話が有料となっているため、今ひとつ普及しなかった。
Google Duoは、無料で時間制限なしで使えるが、Androidスマートフォンで電話番号と紐付けられていているという難点があった。
2022年6月にGoogleから発表があり、6月から数週間のうちに、Google DuoとGoogle Meetは、統合されるという。
要は、時間制限なしで無料で使えるようになり、ビデオ会議に同時に招待できる人数も増える。
DuoとMeetは、Google提供の、本来は使い勝手のよい無料会議ツールだったはずなのだが、日常用途で中途半端な課金がされるシステムであったために、ZOOMやTeamsやLINEほどに普及しなかったという印象である。
今度はGoogleは本気を出してきたのかと思うが、この分野に限って言えば、Googleは、ZOOM、Teamsどころか、LINE、WhatsApp、Skypeにも大幅に後れを取っていると言うしか無い。
もし会社で、有料課金でGoogleの G Suites (Google Workspace)でも導入しているなら、Google Meetはコミュニケーションツールとして日常的に使用していると思われるが、会社でOffice365を導入していれば、Microsoft Teamsを使うことになるので、ここでもMicrosoftユーザーとGoogleユーザーが混じり合うことは無い。
7.まとめ
こうやってみると、無料電話ツール、ビデオ会議ツール、広い意味でのコミュニケーションツールは、その人の環境によってバラバラである。
他にも、通話こそできないものの、LINE WORKSは、スタッフに持たせるチャットツールとして大変便利であり、顧客との連絡や、社内での連絡ツールとして、便利に使っている会社が増えてきている。
さらには、サークルの連絡用アカウントとしても、LINE WORKSは最適だろうと思われる。
もっといえば、
(1)携帯電話
(2)E-mail
(3)携帯電話のキャリアメール
(4)ショートメール(SMS)
(5)FAX
(5)郵送
も、未だに結構な割合で存在する。
SNSは年齢層ごとの利用者の分布がばらけていて、連絡ツールとしてはどれとも絞ることができない。
Facebookなどはもはや中高年層のツールと化しており、Instagram、Tiktok、Twitterなどが、若者世代のスタンダードになっている。
仕事で、こういったツールごとに、繋がっている人が異なり、連絡が各ツールから入ってくることは避けられなくなっている。
こちらの都合でツールを一本化はできないし、一本化はおそらくやりようも無いということである。
やはり、相手に合わせて、こちらが対応するしか無い。
ということで、スマートフォンの画面は、SNSコミュニケーションツールのアイコンがずらずら並んで、一画面では収まらない状態である。
ソリューション提案として、「Office365やTeamsに集約すれば解決」「Chatworkに集約すれば解決」「Gmailに集約すればすべて解決」といった宣伝文句は、必ずしも信用できない。
それはせいぜい、社内用システムの中だけのものである。
結局、異なるコミュニケーションツールを使っているビジネス相手がいる以上、情報をどれかに集約することは結局無理が生じる。
ということで、ツールの完全な集約は、私の場合は、ほぼ諦めており、できる範囲でE-mailでチャットを添付ファイルとして転送して、秀丸メールでのスタッフ間での情報共有のレベルに集約することにしている。
それでも、数万通、数十万通といった電子メールとして蓄積していくことになり、ファイルサイズも馬鹿にならず、適度な整理や削除は不可欠ではある。