ガラホのSIMロック解除とAPN設定

ガラホを中古で購入して、SIMロック解除とAPN(アクセスポイント名)設定をやってみた。

 

今回はその作業の顛末を書いてみる。

 

私は今でも、携帯電話で話すのはガラホ(中身はAndroidスマートフォンだが形状はガラケー)のユーザーである。

 

ガラホの契約はY!mobileの4G契約である。

 

もちろんガラホとは別にスマートフォンも持っている。

 

スマートフォンは、ドコモ電波のmineoと、au povo2.0の2台なので、計3台持ちである。

 

ガラホを使い続けるのは、電話を架けるだけなら、ガラホのほうがスマートフォンより操作性がはるかに優れ、電池の持ちもよくて充電を気にする必要が無く、便利だからである。

 

3台持ちにして電波をわざわざドコモ系、au系、ソフトバンク系と分けるのは、通信障害時に、通話・ネットそれぞれサブ回線で対応できるようにするため、つまり緊急時のバックアップとしてである。

 

法律事務所のスタッフに各1台、かけ放題の携帯電話を、テレワークや移動時用に備えて渡しているが、これにもガラホとスマートフォンがある。

 

そして、そのうち1台のガラホが故障した。

 

単にバッテリーが充電不能になっただけであった。

 

しかしそのバッテリーパックがもはや売っていない。

 

売っていても中古端末より値段が高かったりする。

 

ということで、中古端末を購入することとした。

 

ガラホのSIMというのは、スマートフォンのSIMと同じ、4G電波対応のSIMであるから、スマートフォンに挿すこともできる。

 

今回も、中古ガラホを購入して届くまでの間、Y!mobileのSIMを、臨時に、SIMフリースマートフォンに挿していた。

 

スマートフォンのAPN設定画面で、Y!mobileのAPN設定を新規作成して、選択して、普通に電話はできた。

 

さて、ガラホの調達である。

 

ネットショッピングで、ソフトバンク端末のガラホ501KCが新品同様で安かったので、購入してみた。約6000円。

 

Y!mobileの電波はソフトバンク電波そのものなので、対応周波数が完全に一致している。

 

とはいえ、ソフトバンク端末でY!mobileのSIMを動作させるには、SIMロック解除の作業、そして、APN設定(アクセスポイント名の設定)の作業が必要になる。

 

SIMロック解除をしただけでは、ソフトバンク端末でY!mobileのSIMは動作しない。

 

なぜなら、ソフトバンクで売られていたソフトバンク端末には、出荷時には、アクセスポイント名の設定情報は、ソフトバンクのもの1つしか入っていないので、Y!mobileのアクセスポイントには接続できないからである。

 

3大キャリアが販売しているSIMロックがかかっているガラホ端末において、アクセスポイント名の設定は、ガラホの機能メニューには見えているが、通常は選択・クリックできないようになっている。

 

アクセスポイント名の設定メニューに進むためには、「SIMロック解除」という作業が必要となる。

 

さて、このガラホのSIMロック作業は、店舗に持ち込めば3300円で店員が作業してくれる。

 

しかし、携帯電話ショップに並んだり、作業を待つ方が、よほど時間がかかってしようがない。

 

MVNOのネット契約に慣れきってしまった者には、携帯電話ショップというのは、時間の無駄でしかない。

 

後学のために、自分でSIMロック解除作業をやってみることにした。

 

まず、My Softbank という、ソフトバンクユーザー向けのサイトで無料会員登録をする。

 

ソフトバンクと、現在、電話の契約がない者であっても、My Softbankの会員登録をすることは可能であり、SIMロック解除のためだけに契約することもできる。

 

これは、Dアカウント(DOCOMO)でも、au IDでも同じである。

 

My Softbankサイトでの登録後、免許証撮影による本人確認作業は数時間で完了した。

 

ガラホの裏のケースを開け、バッテリーパックを外すと、MIME番号(本体の識別番号)がシールで貼り付けられて表示されている。

 

My SoftbankサイトのSIMロック解除メニューに、そのMIME番号を打ち込むと、解除コード(解除するための番号)が画面表示されるので、メモしておく。

 

この解除コードは、1端末ごとに異なるので、いちいちMy Softbankで確認しないといけない。

 

次に、SIMロック解除したいガラホに、有効なSIMを挿し込む。

 

有効なSIMが挿さっていない状態だと、SIMロック解除作業はできない。

 

SIMを挿し込んだ状態で、電源を入れると、SIMロック解除コードを入力する画面が表示される。

 

そこでさきほどの解除コードを入力する。そうすると、その端末のSIMロックが解除されて、アクセスポイント名の設定ができるようになる。

 

次に、アクセスポイント名の設定をしないといけない。

 

これが、Y!mobile端末の中古であれば、アクセスポイント名は同じであるからアクセスポイント名の設定の手間はない。

 

が、今回はソフトバンク端末なので、新たにY!mobileのアクセスポイント名を新規に作成して保存して、そのアクセスポイント名を選択しないといけない。

 

アクセスポイント名の設定というのは、スマートフォンでいえばAPN( Access Point Name )設定のことである。

 

スマートフォンではAPN設定というが、ガラホではアクセスポイント名とメニューに表示されていることが多い。

 

Y!mobileの4G契約のアクセスポイント名(設定項目)は以下である。

 

https://www.ymobile.jp/yservice/howto/simfree_android/apn/

 

ガラホの場合は、新規にアクセスポイント名を作成して、いちいちアルファベットを打ち込まないといけないのが多少面倒である。

 

初期設定のアクセスポイント名は、大事に置いておくべきである。それを修正したり上書きしてはいけない。

 

ちなみに、APKという、アクセスポイント名の設定したファイルもインターネットで拾うことはできるが、Wifi接続したり、ダウンロードしたり、それを取り込むといった作業が必要で、それをガラホでスムーズにできるかがそもそも定かでなかった。

 

それだけを試行錯誤したり調べるのも手間である。

 

ということで、アクセスポイント名の設定項目を全部ガラホのテンキーで入力した。

 

ガラホは、途中、間違えて戻ろうとするとメニューそのものが前に戻って入力結果が失われたりするのだが、まめに保存を繰り返しながら、アクセスポイント名の設定項目の入力を済ませたところ、あっさり、電話も、SMSも、MMS(キャリアメール。@i.softbank.jp、@y-mobile.jp といったメールアドレスのもの)も受発信できるようになった。

 

ドコモ、auでも、基本は同じである。

 

中古ガラホ端末を購入する際に注意すべきは、「ガラホ」は中身はAndroidスマートフォンだが、「ガラケー」はいわゆる3G電波専用で、ドコモ、au、ソフトバンクとも、どんどん停波が進んでいる。

 

SIMの種類も、4Gか3Gかで違う。

 

中古ガラホ端末を買う際には、それを間違わないように選ばないといけない。

 

なお、サブブランドやMVNOのSIMを購入しても、最近のSIMは4G回線のSIMであるから、ガラホで、アクセスポイント名の設定項目をMVNOのものに設定すれば、電話もかけられるし、Webも見る事が出来る。

 

ショートメールも可能である。

 

MMS(キャリアメール)については、UQ MobileやY!mobileはサブブランドなのでキャリアメールのアドレスがもらえる。

 

高齢の親などであれば、ガラケーからの乗り換えの選択肢にもなりうる。

 

ガラホ端末自体は、中古でなくても、新品を携帯電話ショップで購入する事もできるから、ガラホ端末の新品だけを買ってきて、MVNOのSIMを挿して使うということも可能である。

 

購入代金の支払い方によって、すぐにSIMロック解除ができるかどうかは変わる。

 

代金一括購入の場合は即日SIMロック解除可能、分割購入の場合は101日以上経過でないと解除ができないことが多い。

 

3万円4万円でガラホを携帯電話ショップで購入するくらいなら、状態の良い中古ガラホ端末を楽天やYahoo!ショッピングで1万円くらいで購入することが簡単である。

 

尚、Yahoo!オークションなどだとさらに安いが個人取引となり、良し悪しがある。

 

3大キャリアで売られている端末は、スマートフォン・ガラホともに、DOCOMO・au(UQモバイル)・ソフトバンク(Y!mobile)の3種類に分かれる。

 

そのキャリアの端末は、他社の周波数帯に対応していなかったりすることも多い。

 

だから、挿して使うSIMが、ドコモ電波か、au電波か、ソフトバンク電波かによって、中古端末の購入時には、その系列の端末を購入することである。

 

SIMフリー端末として売られている端末は、基本的に3系列とも対応していることが多いが、プラチナバンドといわれる周波数帯で、一部のバンドに対応していないSIMフリー端末も結構ある。

 

特にプラチナバンドの周波数帯が対応していないと、山間部などで極端に電波状態が悪くなる(都会であれば一部の周波数帯に非対応といってもほとんど問題では無い)。

 

だから、SIMフリー端末を購入する際には、必ず、対応バンドを確認し、3キャリアで使うつもりのキャリアのバンドに対応しているかを抑えておくことである。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。