GOTOトラベルキャンペーン適用になる旅行代金(宿・交通費)の範囲

GOTOトラベルキャンペーン適用になる旅行代金(宿・交通費)の範囲が、観光庁サイトのFAQでよくわかります。

・宿や施設が適用事業者であること
・宿泊(民泊、カプセルホテル、ユースホステル、ウィークリーマンションも対象)・宿泊+交通機関料金のセットプラン(旅行代理店)
・夜行フェリー・寝台列車(宿泊に準ずる)
・団体旅行(修学旅行など)も可
・日帰りの場合は、旅行代理店にて購入する、交通機関費(乗車券やレンタカー高速代等)+食事や観光体験等のセットプラン

つまり、旅行代理店(旅行予約サイト)で、乗車券と宿のセットプランを申し込めば、乗車券についてまでもキャンペーン適用範囲となり一番オトクです。宿や施設が適用事業者かどうかが分れ目で要注意です。

簡単にいえば旅行代理店で交通手段込みで予約するのが最大限お得だということです。

 

2020/07/19 追記

旅館・ホテル・旅行会社には、零細企業や個人経営、家族経営の方が大変多いです。

そういった家庭にも、学校に通っている子供さんたちがいます。

これから高校、大学に通わせないといけない子供たちを養わないといけません。

感染対策に注意しながら旅行するのもバッシングするというのは、そういった、観光産業に従事する、零細・家族経営の方たちの子供たちの未来を奪ってしまうということでもあります。

教育機関では、大学生や私立中高生が、親の経済苦境から学納金を払えず退学してしまう事態に深刻な懸念を共有しています。

塾だって通えなくなるでしょう。

学生アルバイトもまた観光産業・飲食産業に大きく依存しているので、大学生や高校生を抱える自営業者や従業者の家庭が、まさしく、ダブルで致命的な経済危機に陥っており、進学断念や退学の、深刻な危機にさらされているのです。

実際、4月に、私の事務所でも、子供の学納金が払えないという方からの駆け込みの相談が複数ありました。

臨時の奨学金、助成金、さらには自治体の教育貸付、社会福祉協議会の小口貸付まで、調べ上げては案内して、すぐに走るようにアドバイスしました。

また、観光産業というのは、非常に裾野が広いのです。

周辺産業となる、リネンや備品の供給業者、惣菜の納入業者、食材を作る農家など第一次産業従事者が、膨大な数にのぼります。

観光に行った旅行者は、飲食店、土産物店、観光施設、文化施設で、宿泊代金より多いくらいの支出をします。

政府が5000円の補助をして需要喚起をすれば、2万円、3万円といった単位で、裾野全体に売上が発生し、国民総生産、国民総所得があがります。

宿に直接補償しただけでは、周辺の裾野の業者は売上ゼロです。倒産するしかありません。

そうして、観光産業や周辺産業の従業者たちの子供たちの未来が奪われます。

私は、そういった家庭の痛みを、この4月に嫌というほど味わいました。

観光産業に対する自粛バッシングに共感はしかねます。

飲食店も、娯楽産業も、あるいは接待飲食店でも、同じようにぶら下がっている子供たちの未来が失われようとしています。

感染の危険度からいって、さすがに憂慮すべきは、ホストクラブや、一部の接待飲食店でしょう。

こういった業種については、さすがに近づくべきではないという自衛策は必要になるでしょうし、それでもなお、顧客の側の無軌道な行動を店舗が止められない、顧客の側の構造、業界の構造が、残念ながら存在する、としかいいようはありません。

しかしながら、普通の飲食店や、観光産業全体を、このような自粛バッシングにひとくくりにすることは、決してリスクが高いわけでもないはずなのに、そういった産業に従事する方を絶望に追い込み、命を奪い、子供たちの未来を奪うことにも繋がります。

先日、「旅館こうろ」を運営する北原(京都市)の北原達馬・代表取締役社長のツイートが話題になりました。

以下で、JCASTニュースの記事を引用します。

Go To「今でないと間に合わない」 京都の旅館社長、「炎上覚悟」のツイートに込めた危機感
https://www.j-cast.com/2020/07/17390422.html?p=all

新型コロナが本格的に蔓延した3月、修学旅行などで入っていた「こうろ」の予約はすべてキャンセル。緊急事態宣言発令翌日の4月8日に休業を決め、県をまたいだ移動制限が解除された翌週末となる6月27日にようやく営業を再開させた。売り上げは3月が約7割減、4~6月はほぼゼロだ。

再開後の7月も動きは鈍い。この時期の例年の稼働率は平均50~60%、土日やお盆はほとんど100%になるが、現在はせいぜい10%強程度しか入らない。平日は予約ゼロ件の日も珍しくない。取材したこの日も、数少ない予約の1件がキャンセルになったという。

京都の7月といえば、毎年多くの人が「祇園祭」に詰めかけるが、今年は山鉾巡行など主要な催しが中止。8月は「こうろ」にも2校の修学旅行の予約が入っているが「こちらも今後の状況次第でどうなるか分かりません」。9月以降の売り上げも固まっていないという。

北原社長によると、「こうろ」は休業中も毎月1500万円ほどの支出があった。雇用調整助成金などにより、正社員約15人、パートやアルバイトも含めて約35人の給与はどうにか支払うことができている。だが、経営すべてをカバーできる金額ではない。

「すでに借り入れはかなりの金額になっています。今後も売り上げが戻らなければ、さらに借り入れをする必要が出てきます。当館は仮に7~8月にお客様が来なくてもただちに倒産するほどの状態ではありませんが、本業が回復しない限り、借り入れが膨らめば遠くない将来に厳しくなるでしょう。融資もどれだけ受けられるか分かりません」
そんな先行き不透明な中で期待を寄せたのがGo Toだった。

「この状況を打開できるとしたらGo To キャンペーンだと思いました。8月に始まるという情報が流れ、それまでどうにか持ちこたえられればというところでした。それが7月22日開始に前倒しされたのは、23~26日の4連休に合わせてくれたと思います。この発表にはかなり期待していました」

だがGo Toへの風当たりは強い。北原社長自身も「反対意見すべてを否定することはできません」と認めている。いくつかの観点からあがる反対論をどう考えているのか。

まず「延期すべき」という意見について、北原社長は「業界はすでに待ったなしの状況」とする。帝国データバンクが17日に発表した「新型コロナウイルス関連倒産」のデータによると、全国353件の倒産のうち、業種別では「飲食店」(51件)に次いで「ホテル・旅館」(46件)が2位となっている。

「仮にあと1か月売上がなくて持つのかというと、そうではないところが全国的にあると思います。延期と言ってもいつまで延期すればいいのか、明確な答えは出せないでしょう。考え方によっては年単位で延期すべきということもなるでしょう」
2つ目は「Go Toの予算を企業に直接配ればいい」という声。金額の規模や、関連企業への波及効果の観点からこう述べる。

「『直接支援すればよい』という声も確かに聞きます。しかしバラマキでどうにかなる段階ではありません。(Go Toキャンペーン予算の)1兆7000億円を単純に宿泊業者などにバラまくのと、旅行者に半額補助して1兆7000億円を投じるのとでは全く話が違います。もう半額は旅行者ご自身が支出するわけですし、観光業から波及する経済効果も当然大きいです。当館も小さな旅館ですが、60~70社ほどとお付き合いがあります。食材や布団、タオルなど、あらゆる物を取引先様から仕入れていますが、今はほぼ全ての取り引きが止まっています。Go Toは宿泊施設だけでなく、そうした関連企業すべてに関係しています」
3つ目は「旅行したい人はGo Toがなくてもする」といった声だが、「Go Toには宿泊単価が上がることへの期待があります。これまでに失った分をどうにか取り戻さないといけません。希望だけで言えば、対前年比120%くらいにならないと取り戻せないのが実情です」と訴える。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。