ドラッカー名言集「変革の哲学」より ピーター・F・ドラッカー 珠玉のことば

西村法律事務所のWebサイトのタブ「珠玉のことば」https://www.lawfield.com/proverb.htmlに、私が心の拠り所とする書籍や心に刻み込まれた文章をアンソロジーとして集めているのでその中から抜粋して紹介する。


ドラッカー名言集「変革の哲学」より ピーター・F・ドラッカー


「知識は、絶えざる変化を求めて組織されなければならない。知識の特質は、急速に変化し、今日の当然が明日の不条理となるところにある。知識の内容と正確が不断に変化していくがゆえに、世界経済そのものが、突然の構造変化を続けていく。」



「ビジネス、教育、医療その他いかなる分野をおいてであれ、今日リーダーの地位にある組織の多くが、これからの30年を生き延びられず、少なくとも今日の姿では生き延びられないということである。」

「既存のものは古くなる。あらゆる意思決定と行動が、それを行った瞬間から古くなりはじめる。したがって、通常の状態に戻そうとすることは不毛である。通常とは昨日の現実に過ぎない。」

「すでに起こった未来は、組織の内部ではなく外部にある。トップ自身が外へ出て、よく見、よく聞くことである。まず必要なことは、すでに起こった未来を見えるようにすることである。できることや、しなければならないことは、そのあと簡単に見つかる。未来にありうべきものや、あるべきものを自ら創造するべく働くことである」

「未来に何かを起こすには、勇気、努力、信念を必要とする。未来にかかわるビジョンのうち必ず失敗するものは、確実なもの、リスクのないもの、失敗しようのないものである」

「今日最強の企業といえども、未来に対する働きかけを行っていなければ苦境に陥る。個性を失いリーダーシップを失う。残るものといえば、大企業に特有の膨大な間接費だけである。」

「第1に、成功していないものはすべて組織的に廃棄しなければならない。第2に、あらゆる製品、サービス、プロセスを組織的かつ継続的に改善しなければならない。第3に、あらゆる成功を追求しなければならない。第4に、体系的にイノベーションを行わなければならない。」

「イノベーションを行う組織は、継続学習の空気を生み出し、それを維持する。ゴールに達したと考えることを許さない。学習を継続すべきプロセスとする。」

「イノベーションには、他のあらゆる仕事と同じように、才能、創意、知識が必要である。しかし、本当に必要とされるのは、激しく集中的かつ体系的な仕事である。勤勉、忍耐、決意が欠けていたのでは、せっかくの才能、創意、知識も役に立たない。」

「予期せぬ成功は気付きさえしない。注意もしない。利用しないまま放っておく。そこへ誰かが現れ、利益をさらっていく。」


「長いあいだ成功をおさめ、挑戦を受けたことのない支配的な地位の生産者や供給者は、傲慢になりがちである。新規参入者が現れても、採るに足らぬ素人と見る。そのくせ、その新規参入者のシェアが増大を続けても、対策を講じることができない。」


ドラッカーが経営者に常に繰り返し警告するのは、経営者が自分が思っている以上にはるかに頑迷固陋で変化に対応できていないことである。経営者は、過去の成功に慢心し、成功した瞬間から自分がたちまち陳腐化してしまっていること、数十年どころか数年を経ずして事業が傾いてしまうことを、認めたくないものである。後進の若い経営者のほうがより優れた成功を収めていることを認められないものである。経営者は、次の事業創造のために常に外に出て学び、体系的かつ勤勉にイノベーションに取り組み、昨日の成功も組織も捨て去る覚悟が必要であるが、人の意見を自分から聞き書物から学ぼうとする経営者は必ずしも多くない。企業の新旧交代がたえまなく起きるのはそのためである。

西村幸三

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京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。