ジェームズ・アレン 繁栄を支える八本の柱

西村法律事務所のWebサイトのタブ「珠玉のことば」https://www.lawfield.com/proverb.htmlに、私が心の拠り所とする書籍や心に刻み込まれた文章をアンソロジーとして集めているのでその中から抜粋して紹介する。

「ジェームズ・アレン全一冊」から、自分なりに要約、編集した。

 

ジェームズ・アレン 「繁栄を支える八本の柱」

 

1.エネルギー

(1)迅速さ
注意深く、迅速で、時間に正確で、機敏な人は、手際良く務めを果たすだろうと信頼される。

 

(2)緊張感
緊張感の欠如が、失敗や苦しみの原因の大部分を占める。

 

(3)勤勉さ
勤勉さは快活さと豊かさをもたらす。

 

活動的な人は毎晩疲れて床に入るので快眠をすごせて、健康と幸せが得られる。

 

(4)真摯さ
誠心誠意、自分の務めを果たそう。

 

最高の出来に達するまで満足してはならない。

 

疑いや不安を持たずに、最良のものを世界に差し出そう。

 

2.効率のよい生活を送る

 

物質面、精神面とも、浪費することと貯め込むことの中道を行くことが、生活全般の効率化であり、「お金、食べ物、衣服、余暇、休息、時間、エネルギー」の七要素で中道を進もう。

 

(1)お金
粋すぎた節約と浪費を避ける。

 

(2)食べ物
食べ過ぎに注意し、暴飲暴食を避け、節度を持った食生活をする。

 

(3)衣服
無頓着と虚栄心の極端を避ける。

 

最も大切なのは清潔さであり、分相応のTPOにあった、慎ましく適切な身なりをする。

 

(4)余暇
余暇の目的は、心身の力を回復し、仕事のための力を養うことである。

 

余暇は手段であり目的ではない。

 

余暇に心をとらわれすぎず、余暇そのものを人生の目的とせず、仕事と余暇の中庸を行くのが効率的である。

 

(5)休息
睡眠は十分にとるべきだが取り過ぎもよくない。

 

休息は怠けるためでなく、よりよい仕事をするために存在する。

 

(6)時間
貴重な一分一秒を無駄にしない。

 

思考、行為、言葉において、不要なもの、妨げになるものを吟味して排除すべきである。

 

(7)エネルギー
悪徳、悪い習慣はエネルギーを無駄に消費させる。

 

効率の良い生活をおくることで、次の段階に従い向上していく。

 

「節度」
節度を守る。

極端さを避け、不要なもの有害なものを排除する。

 

「能力」
エネルギーを保持し、集中させることで、高い力量が得られる。

 

「才覚」
エネルギーを浪費せず蓄積すると、生産的なエネルギーに姿を変え、才覚を培う。

 

「独創性」
才覚が蓄積し、成熟すると、少しづつではあるが、独創性を発揮できるようになる。

他人から学びながらも、単にまねるのでなく、新しさを加えていくことで、独創性が高まる。

 

3.公正さ
あらゆる取引において、受け取るものに対して正当な返礼をするよう心がける。

 

奪い合うのでなく、お互い与え合う。

 

これは商売における最も基本的な原理である。

 

(1)正直さ

正直な人も他の要素が欠ければ失敗することがあるが、不正直な人の失敗のように苦しむことはない。

恥じるべきものではなく、その人の人格や評判を下げることはないからである。

(2)恐れない心

正直な人は、困難な局面でも、恐れず、ひるまない。

相手と真っ向から向き合い、率直で説得力ある話ができる。

不正直な人はおびえ、自分の行為の結果に恐れている。

 

(3)目標の設定

公正な人は、培った人格の強さから、明確な目的と理知的で揺るぎない目標を持って、密かに努力する。

(4)無敵さ

完全な公正さを備え、いかなるときも守り抜くことで、あてこすりや中傷や不当な扱いといった非難に負かされない。

 

4.システム

複雑なものを単純化すること、難しいことを簡単にすることが、システムである。

 

規則や規律を大切にし、摩擦を避け、秩序を守る。

 

(1)迅速さ
てきぱき動く、意欲的な心、回転の速さをもって、整然と巧みに滞りなく作業を進める。

 

(2)正確さ
自分の間違いからも他人の間違いからも学び、より正確にしようと努力し、常に進歩し、完璧さへと到達する。

 

(3)有用性
本題と関係ないことを排除し、理屈にとらわれず、有用なものだけをしっかりおさえておく。

 

理論家・議論家でなく、働く者、作る者、行動する者がもっとも大切である。

 

(4)包括力
分析力と統合力を持って、たくさんの関連事項を統合して全体を包括的に把握する。

 

5.共感

真の共感とは、無欲で穏やかな人が見せる、深く静かな優しさである。

 

感情を爆発させず、自分を抑え、芯が強く、冷静で、気取らず、上品にし、他人の苦しみを思いやる。

 

人を大いに愛し、大いに苦しみ、深い悲しみを経験することで、うぬぶれ、無思慮、身勝手さが焼き払われ、真の共感を身につけられるようになる。

 

有能で共感力のない人より、平均的能力で共感力のある人がつねに優位に立つ。

 

(1)親切さ

(2)寛大さ

(3)穏やかさ

(4)洞察力

 

6.誠実さ

(1)素朴さ
素朴さとは偽りも飾りもないことである。素朴であることで失うものはなにもない。

 

(2)魅力
素朴さが魅力に繋がる。

魅力的とみられたいと思う虚栄心が、欺瞞に次ぐ欺瞞を生み、かえって魅力的でなくなる。

 

(3)見分ける力
偽りを排除して真実に生きている人は、相手の中の偽物と真実を見分ける力を持つ。

相手も心を開き、どんな人か知ることができる。

率直な態度が相手の良いところを強め、悪いところを弱める。

 

(4)力
見分ける力を持つことで、あらゆる行動に対応できる力を持つ。

 

7.公平無私

偏見を取り除き、自分以外の意見を受け入れ、自己中心的な考えを捨てる。簡単ではないが。

 

(1)公正さ
「どうすれば得か」より「どうすることが正しいか」を先に考える。

不当に利益を得ようとせず、見合った代金を支払うことを惜しまない。

 

(2)忍耐
忍耐とは、どんなときもゆるがない思いやりをもち、どんな苦境でも優しく、どんな試練や虐待にも屈せず、冷静で強くいられることである。

 

(3)冷静さ
大いに苦しみ、大いに耐え忍び、大いに学び、自己を克服した人が、冷静さという資質を獲得する。

心の乱れを避け感情を主観から客観に切り替える冷静さが、自分のことのように人をおもいやり、他人の意見を大事にする、公平無私へとつながる。

激情による心の乱れが、興奮、先入観、偏見を生む。

 

(4)知恵
公平無私な行いには知恵が備わっている。

公平無私な行いをする度に、人は知恵を授かり、公正無私な人間となる。

人は知恵に触れると、向上し、変容する。知恵は知識と力の源である。

 

8.自己信頼

自己を信頼している人は、真実の価値、正直さ、純粋さ、誠実さ、人格、心理と行った本質と原理に基づき行動しているので、そうでないものが失われても何の問題も無い。

 

虚栄心と傲慢さがある人は、自分の無知を隠そうとする。

 

自己を信頼している人は、無知を隠さず、意欲的に謙虚に学ぶ。

 

(1)決断力
自己信頼のある人は決断力がある。

優柔不断な人は、自己信頼が不足している。

 

(2)不変不動
自己信頼のある人は、何が起ころうとも普遍的な原理によって立つ。

変わりやすさは弱さにつながる。

 

(3)威厳
自己信頼のある人は、自尊心があって、かつ、誰に対しても敬意をもって接する。

虚栄心のある人は、自分を愛する反作用で、下だとみなした相手には軽蔑的な態度をとり、傲慢になる。

 

(4)自立
自分で自分を律することのできる強い人間は、自立している。

自立と自由は、怠惰ではなく、労働から生まれる。

西村幸三

lawfield.com

京都・烏丸三条にある法律事務所を運営。ニュース・法改正・裁判例などから法務トピックを取り上げていきます。